|
(c)Internationale Filmfestspiele Berlin |
モリッツ・ブライブトロイ(日本でも大ヒットした『ラン・ローラ・ラン』のローラの情けない彼氏役で
一躍注目を集めた彼は、『Das Experiment(邦題はES)』、
『Knockin' on the heavens door』『Solino』『LUNA PAPA』等で好演。)、
フランカ・ポテンテ(『ラン・ローラ・ラン』の真っ赤な髪の毛の女の子ローラ、ハリウッドに行って『ボーン・アイデンティティー』等にも出演。)、
クリスティアン・ウルメン(もともとはMTVの司会とかをやっていた人。いかにもそこらに居そうなドイツ人顔。
この映画ではふけて見えるのですが、私と同い年だと知って驚きました。30才には見えない〜!)、
ニナ・ホス(2人のお母さんで、ヒッピー役)マルティナ・ゲデック(ブライブトロイの恋人役)のほか、
カメオ出演で、ヤスミン・タバタバイ(『bandits』等。ミュージシャンとしても有名。イラン人とドイツ人のハーフでエキゾチックな顔だちが印象的)
色々出てましたが、だから?って感じ。
映画が終わってから、プレス会見での最初の質問が『続編を作るのでしょうか?』・・えー・・・ちょっと間があってから、 『映画には合う長さというものがありますから、この映画はこれで終わりです』と返答。 原作はもっと内容が濃く、、Oskar Roehler監督によれば『この原作だけで20本の映画が作れてしまいますよ』 でも、この質問は、話が、よくわからないままだらだら続き、最後もなんとなく終わってしまったという感じだったことから浮かんだ質問では? と私は思いました。 何がやりたいかよくわからない映画なんですよね。いい俳優を使って、俳優を見せて、観客を魅せよう、というのならば、もっとじっくり俳優を追うカットがあっていいのでは? 俳優や女優が、この映画で、なにか新しい面を見せた、とか、見とれてしまう程きれいに見えた、とかいうこともありません。 スキャンダラスな内容で盛り上げたかったというなら、スキャンダルの深み、えぐさが足りない。 今時、裸がたくさん出てるくらいで・・。第一、個人的な感想ですが、ドイツの裸はどうも、健康的でさっぱりしているのでスキャンダルな感じに欠けるんですよね。 ドイツの東スポ?ゴシップを大々的に扱う新聞、B.Z.には、この映画について、さっそく派手な見出しをつけていました。 『モリッツ・ブライブトロイ、スウィンガークラブ(パートナーを交換するクラブ)に出現?!』・・ま、その程度のスキャンダルです。 『愛をテーマに』と監督は言ってたけれど、この2兄弟の愛、はどちらも表面的にしか書かれていない。 私は原作を読んでいないので、原作がどうなのかはわかりませんが、テレビに出ていた監督が 『原作はもっとネガティブな方向だけなんです。でも私はそれを明るく、ユーモアを交えて表現したかった』と言っていました。 うーん、もしかしたら、小説の魅力はそのネガティブなところだったのでは。ユーモアって、もっと深いものじゃないんでしょうか。 軽くて内容がなく、笑えないドイツのコメディ・・・・。好きな俳優さんも出てたので残念でした。 辛口採点かも知れませんが、自分がお金を払って映画館に行ってたら、かなり楽しめなくて、お金かえせ!という気分になりそうなので、 10点満点で2点。 (2006年、ベルリン映画祭観賞記より。批評はその時の気分と私の個人的な好みによるものです。ご了承下さい。) |