ベルリン映画祭が始まっている。 しかし、先週展示のオープニングと試験があったため、なんだかばたばたしてチケットを買うとか見に行くとか、 余裕が無かった。 ちょっと落ち着いて、今日見に行こうと思っていた映画のチケットを買いに行くと、 見事に売り切れていたので、しょうがなく、別の日のチケットを早めに買いに行く事にした。
浅野忠信が、監督作品“トーリ”の上映をし、その後インタビューに答えるというイベントのチケット。
イベント会場はHaus der Kulturen der Weltといって、ポツダム広場から徒歩20分くらいの所だが、 ポツダム広場から直通のバスが無い。 どうしようか〜と迷っていたら、シャトルバスが出ている、とプログラムに書いてあるのを見つけたので、 ポツダム広場まで行った。
そう、私は忘れていたのだ。ベルリン映画祭はオーガナイズが悪いということを・・・。
第一、チケットの売切れ状況等、電話での問い合わせでは要領を得ないくらいなのだ。 チケット売り場に行って赤いシールが貼ってあるかどうかをチェックしないと安心できない。     でも、シールが貼って無いので、やった!と思って並んでも、たまに、売り場で『すでに売り切れました』 と言われることもある。
あの、でも、赤いシール貼ってなかったんですが・・なんて言おうもんなら、 『並んでた間に売り切れたんですよ!』と怒られる。
ロッテルダム映画祭なんかでは巨大な電光掲示板で残りチケット状況を常に掲示しているというが ロッテルダムより何倍も大きい映画祭、ベルリナーレが、何故それができないのか?
それはベルリンだから。

主要会場のポツダム広場のバス停留所には、ドイツ語も分らない人達がおろおろと雪の中を歩き回り、 バスが来る度、直通シャトルバスじゃないですか?と尋ねている。 運転手はまず、英語が通じないので、返事もしない。 私が横からドイツ語で聞くと 『知らないね。俺はベルリン交通で働いてるんだから。映画祭のために働いてるわけじゃ無いからね』と つっけんどんなお答え。はあ、すみません(怒) でもこれがベルリナ−・シュナウツェという、ベルリン人特有のぶっきらぼうさなのだ。 20分あまり待った所で、同じ方向に行く人達でタクシーをシェアすることに決定、タクシーに乗り込む。 ポツダム広場前にはタクシーがずらり。ベルリナーレ(ベルリン映画祭)が公式の交通機関をちゃんと整備してないおかげで がっぽり儲けることができるだろう。良かったね!

今年は雪のせいか?
ポツダム広場に並んでいる人は少なかった。
平日の朝だったからかもしれない。
チケットは3日前、
再度上映なら4日前から購入可能。
インターネット予約は2ユーロ高い。



チケット売り場の前にあるボード
売切れている映画の上には
赤いテープが貼られている。
間違いもあるので油断できない。
さてチケットを買いにカウンターに向かう。 3人もカウンターに居るのに、1人しか働いて無い。ああ・・これも典型的なベルリン。 運の悪い事に、2時から始まるイベントが大人気で、私は2時にカウンターに到着してしまったのだ。 売り切れの所に席が増設され、 私の番になった瞬間、そのイベントの増設50席の売り出しが始まってしまった。
『あの、私チケットを2枚買いたいだけなんですが…』 『今上映中のチケットを捌いてから次のチケットを売ります。』 まあ、納得できなくはない理由なので、黙って待つ事15分。 私がぼーっと待っている隣で、暇そうなおばちゃんがカウンター内で本なんか読んでいる。 『あの、私、イベントのチケットが買いたくて待ってるんですが』 『私はベルリン映画祭チケット担当です』
ついに私の番になりチケットを買おうとすると、小銭が無いと言う。カードで払おうとすると、カードは駄目らしい。 学生と大人1枚ずつと言うと、間違えて、学生を多くプリントし過ぎたらしい。 『あの、学生券が多すぎるんですが・・』『もうプリントアウトしてしまったので、持って入って下さい』
押し問答の末チケットを手に入れて外に出ると、シャトルバスが居るでは無いか! やれやれ、と乗り込んで『ポツダム広場で見かけなかったですが、まさか1時間に1本だったりして(笑)』 と 運転手にジョークを言うと、にっこりと『まっさか〜1時間に2本ですよ』
30分に1本?そんなん役に立つか!!(怒)
そして、バスは30分しっかり、Haus der Kulturen der Weltの前で停車し続け、5分程でポツダム広場に到着した。 待ち時間の間に、3往復はできるじゃないか!!働け!
いちいち全ての映画館に行くのにタクシー使ってられるか!
あー・・・久しぶりにベルリン・サービスの悪さにあって、ほとほと疲れました・・ でも、頭に来たらすぐこうやって文句を言ってしまうのも、ベルリン流?私もベルリンに染まってしまっているのかもしれません。

ベルリン映画祭公式HP



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