今回は、工事が終わったのに『工事中』の印象をぬぐい去れない、ベルリン中央駅について、書いてみようと思います。

かなり大規模な工事。
そこを横切る管には、
スペインの絨毯・・と書かれています。



1月にドイツ、ヨーロッパ全体を襲ったハリケーン。ベルリンで一番の被害は、中央駅。 中央駅の外側にある鉄骨の一部が、風で落ちてしまったのですが この事故の原因究明をしていたところ、『中央駅の鉄骨の梁のほとんどが、溶接されておらず、強風に耐えられない』作りであることがばれてしまったのです!!!! あ、あぶない〜〜〜!! 今回の事故では、奇跡的に怪我人は出なかったので良かったけれど、40mの高さから鉄骨が落ちてきたら、人間はひとたまりもありません。
昨年からずっと、設計した建築家と、ドイツ鉄道との間で、建築家側の設計を無視して、勝手に安いランプを設置した、やら、 吹き抜けになる予定だった部分に、勝手に天井を設置した、やら、いろんなもめ事が起こっていた中央駅。 そのうえ、溶接していない鉄骨があるとわかったため、ハリケーンが去った後も中央駅は封鎖状態に!!! 他都市からの遠距離便は、シュパンダウ駅や、ズードクロイツ駅など他の駅に停車を余儀なくされていました・・ 現在、突貫工事で溶接作業が進められています。
これは手抜き工事というより、誰かが、危険度のチェックなどをした時に、計算違いをしたか考え違いをしたか……… この『誰か』が大問題。ターゲスシュピーゲル紙では、内部から、『この危険性について指摘はあったけれど結局こういう結果になった』という情報を入手していると発表、 ドイツ鉄道がこの記事に対して異議を申し立てるなど、またまたもめ事が起こっています。
*追記
3月、今度は、ポツダム広場にあるドイツ鉄道ビルの10階からガラス板が、道路に降ってくるという事故がありました。 ガラス製のファサードがこうこうと輝く、背の高いドイツ鉄道のビルは遠くからも目立ちます(夜も電気をつけるのはエネルギーの無駄、と問題になったことがあります。) ソニーセンターとともに、建築家のヘルムート・ヤーンが手掛けた建物。 しかし、なぜ、突然窓ガラスが壊れて落ちて来たのか。鳥がぶつかったのではないか、という憶測もあるそうです。
何にしろ、ドイツ鉄道、今年は厄年。
『上から落ちてくる』事故が続き、中央駅の鉄骨問題についても、また非難が集まっています。 今回も怪我人は無かったのですが、事故を起こさないよう、注意して欲しいものです・・。 しかし、ぴかままさんがおっしゃる通り、 『中央駅直すから、鉄道運賃値上げ』とか『ビルを直すから、運賃値上げ』という可能性は多分にあるように思われます。 『中央駅を作る』という事自体にもともと、お金を払っているわけですから、それに失敗があってあわてて直すことに対して、乗客が負担を受けるのはなんだか釈然としません。 ドイツ鉄道のトップの人間が、自分の給料を少し減らすなどして、対処して欲しい!!



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