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そして今回の再オープンに際し、ずっと何十年も閉められ、
そのまま放っておかれていたダンスホールの上の階がオープン。
下の階は、ラメがキラキラ、ミラーボールもキラキラ、タイル張りの暖炉、赤いライト・・ いわゆるデスコな雰囲気を残していますが、上の階はもう、お城のダンスホール。 6メートルくらいはありそうな高い天井まで届くデコラティブな鏡、彫刻を施された柱、バースペースにガラスのシャンデリア。 床はダンスホールらしく、滑りのよい滑らかな素材でできています。 歩くとカン、カン、と良い音が。ダンス靴を履いてステップを決めたら素敵な音がしそう。 こんな場所が放っとかれていたなんて、これだからベルリンは面白い! 前のオーナーは、店鋪を拡大すると面倒、お金がかかる等の理由から閉めていたそうで、 そのおかげで(?)今まで保存されていたこの場所はホント一見の価値有りです。 新オーナーはさっそくこの空間をオープンし、昼間は見学ツアー、夜はクラブに・・としっかり商売。 のちのち、レストランにしたい・・等、計画もあるようですが、レストランは簡単には開けません。 まずは良いコック、サービス、料理の値段を考えて、考える事は沢山あります。しかしクラブなら、簡単。 ベルリンでは、中間使用と呼ばれる、工場跡地等を潰して新しい建物を立てる、 もしくは大規模な改装を行う前の期間、安く借りて何かする、という事が非常に多い街です。 その理由としては、まず、街にお金がないので、廃虚を潰す、まずその工事費が無い、工事費はあっても跡地が売れない等。 色々な理由から廃虚が放っておかれている事にあります。 で、廃虚としてほったらかしておくよりは、安くても誰かが借りて、その間の管理をしてくれる方が有り難いと、非常に安く貸し出されるのです。 |
その中間使用を非常に多く利用しているのが、クラブ。
今や老舗エレクトロクラブとなったWMFはもともとWMF食器工場の跡地を使っていた所からその名前が来ています。
ベルリンでクラブを開くのにあまりお金はかかりません。巨大なアンプが2つもあればOK。 後はお酒を売るバースペースは適当な木を使って作り、ライトをセッティングすれば出来上がり。 蚤の市で格安だったボロボロのソファーでも置いて、後はビールのケースでも並べて上に板をしいたら簡易ベンチに。 かなり暗いので誰1人としてソファーが汚いなんて事気にしませんし、 かかっている音楽が良くて、雰囲気が楽しければ何でも良し。 バーキーパーが2人も入れば、ウェイターも、キッチンも要らない。 元手も準備もあまりかからないし、改装工事もいらないわけです。 だから、このダンスホールも、取りあえずはクラブとしてオープンさせておいて、 知名度をじわじわ上げて浸透させながら、準備をし、いつかレストランにするつもりなのかと思われます。 もちろんクラブだけでも良いのでしょうが、夜だけだと、せっかくのインテリアが見れなくて残念ではあります。 この場所、床だったらソシアルダンスが本当は似合いそうですが、ソシアルダンスのクラブを毎週オープンしても 人、なかなか集まらないかなあ。残念です。 |
映画の撮影等にも オファーがあるとか。 ファッションショー等も良いかも。 |
2階から下の入口を見下ろす 週末はケーキを並べて オープンカフェみたいに。 |
さて、1階の旧ダンスホールは、カフェになっていて、
天気がよければ外に作られたテラスでお茶もできます。
一応窯があってそこで石焼きピザを焼いているのですが、味はイマイチ。
注文しているお客もあまりいませんでした。
夜9時以降から、昔の常連客を目当てとしたプログラムが開かれます。 その後深夜1時以降からは、上の階、下の階で若者を中心としたクラブナイトに。 なんと上は80歳!まで、という常連客達は、深夜1時くらいにはぼちぼち家路につく。 若者は夜1時までは家を出ない。このタイムスケジュールを上手く使ったプログラム設定。 もちろん、残ってクラブナイトに参加する70歳の方も、夕方から独特のムードを見にやって来る若者も。このミックスされた客層がまた良い感じ。 ベルリン、特にプレンツラウアーベルク、ミッテ周辺の夜遊びは、どうも客層が狭い印象があったのですが、 ここの出現でまた面白くなってくるかも知れません。 70歳でダンスホールでがんがん踊っても、イイじゃ無いですか。 老人だから家に居ろなんて不公平。踊る元気があるならいくつだってダンスホールをひとりじめも悪く無いと思います♪ しかしまあ、私自身は30にもなってないのに、もう夜遊びは次の日体にこたえるから・・なんて言って、 パーティに全然顔を出さないので 周りのタフなドイツ人達に怒られていますが。 語学学校の時思ったんですが、ヨーロッパ人はタフ!朝4時とかまで飲みあかして遊んでても9時の授業にちゃーんと顔を出してて、 やっぱり体の作りが違うのかなあ・・・とつくづく思います。 *付足 このダンスホールの2階の鏡の間、現在は大金をとって貸し出すようになりました。 ベルリン・ビエンナーレ(映画祭ではなく、美術展)でもパフォーマンス会場として使われたり、ファッション撮影などにも多く使われています。 もちろんイベントにも。ここだけでなく、ベルリン市内には4カ所のバルハウスがオープンしています。中身は劇場だったり、レストランだったり色々ですが。(2007年、5月筆) |