Berlin Bau/五感でドイツ/工事中/ロシアンin Berlin

子どもむけの本の中ではロシアが身近な外国、友好国、目標とすべき国として紹介され、ロシア発の雑誌がロシア語のまま出版されていた旧東独。ロシアの他、ハンガリー、ポーランドなどからも曲を輸入して組み合わせたレコードシリーズ“Hallo”なども旧東独のレーベルから出ていました。
そのなごりからか、旧東独地区に多いロシア関係のお店について、しかしロシア料理店にも関わらず、『作るのが面倒（！）、レストランで出す料理ではない』等の理由からベルリンのレストランには存在しないというピロシキについて今回は書いてみようと思います。

私は子どもの時、とってもジャガイモが好きで『将来はドイツに行ったら良いのに』と言われてきました。今、本当にドイツにいるのが不思議です。
そのジャガイモとならんで大好物だったのが、母の手作りピロシキとつぼ焼きキノコ。ベルリンでも好んでロシア料理店に行きましたが、なぜかそこのメニューには“ピロシキ”が存在せず『パン生地に挽肉と春雨、卵を入れて揚げた料理』と言ったら、ドイツ人達に『春雨が入っているなんてロシア料理なわけない、日本で作られたロシア風料理なのでは？』と言われるしまつ。真実を追求すべくHP検索にて、ロシアンぴろしきというページを発見、『ロシアのモンゴル側には春雨入りが存在する』と教えて頂いたのでした！

しかし、真実はわかってもピロシキがベルリンに見当たらないのにがっくりしていました。
ところがついに！ひょんなことから揚げたて手作りピロシキを売るお店を発見しました！！ああ感激です。

ついに発見！悲願の揚げたてピロシキ。
甘めのハーブ・キャベツ入り、75 セント。
スパイシーな挽肉入り、８５セント。

上写真のピロシキが売っているお店、Tanja 。
開店してから３年、モスクワ出身の奥さんがベルリンにいる時はほぼ欠かさずに、お昼になるとせっせと揚げています。
私もお昼に買いに行ったのですが、ピロシキ常連さんが沢山いるようでした！
私もさっそくキャベツ入りと挽肉入りをそれぞれ買ってみました。
キャベツ入りは、甘酸っぱいキャベツと人参、タマネギのみじん切りにハーブを利かせたやわらかい味。
挽肉入りは、残念ながら春雨も卵も入っていませんでしたが、タマネギとちょっとスパイシーな味付けで美味しかったです！
『頼まれたら魚入りとかも作るよ！』とのこと。うーん、ロシアのピロシキにはやっぱり色々な種類があるんですね。
店内には干し魚や美味しいと噂のロシアアイス、包み紙の可愛いチョコレートなど食べ物から、マトリョーシカ、ホウキまで売っていて、質問するとひげのおじちゃんが親切に色々教えてくれます。

Tanjaでみつけたロシアチョコ。
左：これはНезнайка
（ニェズナイカ）という
ニコライ・ノーソフ
（Николай Носов）の
童話の主人公だそうです！
（ロシぴろ掲示板の
Samovarさんに教わりました。
ありがとうございます。）
右：熊ファミリーの絵がシブくて良い

さて、そのTanja から徒歩数分のところにもピロシキこそないけれど、とっても美味しいロシアンカフェー、Gorki Parkがあります！
私がほぼ毎週のように通う、野菜たっぷり、よりどりみどりのロシア風（ロシアクレープ、ブリニなども有）日曜日のビュッフェがリーズナブルで美味しく、いつも満席ですが、普段のメニューもなかなかで（ロシア風ゆで餃子、ペリメニがもっちりしてて美味です）くつろげる雰囲気が良く、やっぱり席を探すのが大変なのでです。
細長い店内にはゴーリキーの肖像画、写真などが飾られ、使い込まれたソファーが居心地の良い感じです。その狭い店内をぬうように細身の綺麗なロシア人のウェイトレスさんがテキパキと働いているのですが、話が盛上がって、コーヒー一杯で３時間、４時間と長居をしてもまったく居心地の悪さを感じません。
このお店がなぜゴーリキーという名前なのかは分かりませんが、ベルリンに５つあるロシア料理屋さんは、他にシャガール、パスタナーク、とロシアの著名人の名前が多いです。

さすがにレーニン、というレストランはありませんが、ここ、Gorki Park ではレーニン像はレコードプレーヤーの上に飾られています。（クルクル回ってはいませんが。）
ココに座って壁に飾られたゴーリキーと目を合わせ、レーニンの胸像を見つつ、お茶を飲んでいると時々、なんだか時代が後戻りしてしまったような、しかし妙に新しいような、奇妙な気持になるのでした。

＊付足
Gorki は増築工事をし、それとともにインテリアもちょっと変わってしまい、レーニンは今居ません。代わりには、とげ抜き像（地蔵じゃなくて）？がいます。