今年春、2年近く住んだ家を引き払って引越をしました。 5 回目の引越ですが、ずーっと人づてに家をみつけてきたので、本格的な家探しは実は今回が初めて。 これが案外大変だったけれども面白かったので、今回の工事中は、家探しについて書いてみようと思います。 第一段は広告を見て探すところまでを御紹介。
ベルリンで家を探すのは、他のドイツの都市や他の国と比べても簡単とはよく言われます。もちろん、安くて広くてキレイな部屋を借りたい!となれば、けっこう労力はかかります。 しかし、まあ、1ヶ月集中的に頑張って探せば、絶対良い物件が見つかる、と言えるでしょう。
掲示板でお馴染みの、nyantecさんはベルリンに来てからなんと1週間程で住居を見つけて引越までしてしまいました! もちろん、彼女はドイツ語もできるので、そういった障害は少なかったとはいえど、これはやっぱりすごいです!ベルリン恐るべし。
さて、家探しをするにあたって、一番一般的な方法は、まずはZittyやTip(ベルリンの“ぴあ”みたいな情報誌)といった雑誌の広告、 新聞の広告をチェックする方法。 これは発売日の早朝(もしくは前日の深夜)に購入し即座にざーっと気になる物件をチェック、 9時頃から電話をかけ『まだ空いているか』『見学したいのだが・・』と見学の約束を取り付けます。
雑誌に広告が掲載されるまで約2週間。その間に借り主が決まってしまっている事もあるのですが、 めげずに電話をかけまくりましょう。 留守電になっていることも多いので、その時は携帯の番号を入れて、向こうからかけ直してもらうようにします。


雑誌、新聞は発売日の前日夜10時
くらいから駅等で購入可能。

しかし、第一の難関。
まず雑誌を買うのはお金を出せば手に入るので簡単。 しかし、雑誌を開くと、分けの分らない暗号が目の前に広がります。 OH、VH、ZH、KM230??何これ? 雑誌の広告は、文字数によって広告料が変わるため、貸したい人は極力短く、住居の説明をしようとします。 よって、住居広告は略語の嵐!
新聞にはこの略語の解説が全てのページについていますが、それを知らなかった私はけっこう最初は頭をひねって、 友だちにきいたりしました。 住所まで略されているので、けっこう土地勘も必要だったりします。 上左写真の 広告では、F'hain 、P'berg、Schl. Tor 等がそれ。 東京で言うと、渋谷を渋、と略すような感じなので その場所の名前を知っていればすぐピンと来ますが、 ベルリン・スターターにはけっこうキツイ。 後、学生を対象とした部屋の場合、na"h TFU 、TU、HU、FU等という表記もありますが、 これは各大学の略称+近所ですよ、というマーク。 TFU(工科専門大学)TU(工科大学)HU(フンボルト大学)FU(自由大学)UdK(ベルリン美術大学)等。
下記に略語表を作ってみました。家探しをずーっとやっていると慣れてきて、ナナメ読みしながら、チェックできるようになります。 ちなみに私がチェックしたのはもちろん家賃、KM/WM+数字と、OH、ZH、Du、WB。 OH(石炭暖房)は石炭を買ってKl(地下室)に貯蔵し、自分で焚いて部屋を暖めなければいけません。 部屋はOHの方が格安ですがこれが大変! ZH(セントラルヒーティング)かどうかは要チェック。 それから、お風呂に毎日つかりたいので、バスタブ有かどうかは重要。 Du(シャワー)の文字が目に入った時点でその部屋は却下です。 ドイツ人はシャワー派が多いのでDuかWBかが広告に載っていない事も多く、私は最初に電話する時に『バスタブついてますか?』ときいてました。

AB アルトバウ Bk バルコニー
DG 屋根裏 Dn ディーレン(フローリング)
Du シャワー(DBという表記の時も有) EBK システムキッチン
EG 日本の1階 F エレベーター
FbH 床暖房 G-WC 客用トイレ
Ga gfl. タイル張り 
GEH ガス暖房 HH 中庭を挟んで奥の建物
Hk 暖房費 Ka 暖炉
Kab ケーブルTV用ケーブル有 Kl 地下室、物置き
KM 暖房、雑費抜きの家賃(kalt) Km 納戸、小部屋
Kt 敷金(引越時に利子付きで返却) mo"b 家具付き
Mn メゾネット(部屋内部が2階建) NB ノイバウ
NK 雑費 OG 2階以上の階(1OGは日本の2階)
OH 石炭ストーブ O"l オイル暖房
Pk 寄せ木のフローリング ren 改装済
ruh 静か SF 建物の横側の棟
t-mo"b 部分的に家具付き Tep 絨毯敷
Ter テラス St
US-Ku" アメリカンキッチン VH 道側の建物
v-mo"b 全部家具付き WB バスタブ有の風呂
WM 暖房費込みの家賃 (warm) ZH セントラルヒーティング
Zi-Whg 何〜部屋のアパート

上では雑誌や新聞を使った一般的な広告について書いてきたのですが、大学の掲示板なんてのも案外有効。 特にWG(ルームシェア)をしたい、なんて時はココを見るのが一番良かったりします。 無料だし、『部屋探してます!大きさは最低50平米で家賃はwarm で250ユーロまで・・』のポスターを自作するのもよし。 A5の紙の上2分の3くらいに文字を書き、その下3分の1には、ポスターを見て気になった人がその連絡先をちぎって持って帰れるように、 自分の連絡先を細長く書き、切れ込みを入れて、ポスターのできあがり!
引越しが急に決まって、Nachmieter(次の入居者)を探さなくてはいけない時も、掲示板は使えます。 (ドイツでは大体どこのアパートでも、引越す3ヶ月前までに不動産屋にいつ引越すかを知らせるのが義務付けられています。 しかし、急に引越したくなっても、入居者が決まっていれば即OKの事が多し。)
部屋だけでなく、『タンデムパートナー(お互いに母国語を教えあう勉強相手)を探しています!』とか、 『要らない家具ゆずります!』もあり、 掘り出し物が見つかったりもしますが、 良い物件は即座になくなるうえ、いつ貼られるかもわからないので、 システマティックに素早くやりたい人には向かないかも。

・・・・実はここまで書いて来てなんなのですが、今回の家探しで、私が一番重宝したのがHP。 immobilien(不動産)のHPはけっこうあるのですが、自分の条件(部屋の大きさ、部屋数、家賃、場所、等)を入力するとバーッと検索結果が並ぶのがとにかく便利! メールで申し込みができるのも楽だし、何より情報が多いのが選ぶ側としては非常に便利。写真付きの物件もあってわかりやすい!
そんなわけで、略語表まで作ったけれど、そんなの必要無い、HPでの家探しが、実は一番、というお話でした。
私のオススメHP*Immobilien Scout24

*追記
2007年。この時に、上記のサイトで発見して、即座に引越していらい、大活用している今の家。場所は最高なのですが、ワンルームなので、大きめの家を借りることを考えはじめ、ふたたび家探しを始めています。しかし、ここ数年で家賃はぐっと高騰。特に、プレンツラウアーベルク地区がひどいです。ミッテ地区は2005年でも法外な家賃のものが随分ありましたが、プレンツラウアーベルクは、ぼろぼろのままの格安アパートがまだ、見つかっていたんですね。しかし2007年、改装、改築が進み、けっこうなお値段になってきました。
家賃の高騰には、アメリカなどからやってきて、不動産を買いあさる人たちの存在が背景にあるとも言われています。また、スティーグリッツ、リヒテンベルクなどでは、国有のアパートが手放されたことで、私有となり、家賃がなんと60%以上も値上げされたというアパートもあるそう。ひゃー!!
この値上げは犯罪ですね。
私は、上記サイト+知り合いとなった建築家さんたちから情報を流してもらっています。不動産屋や、不動産サイト、新聞や雑誌を見ていると、値上がりがすごくて引越できそうにもありませんが、口コミでは、まだまだええっ!!というような掘り出し物があるのです。こういた格安&素敵な物件、は住民が『引越したい』と言い出した時点で『次はじゃあ、私が・・』という友達や知り合いが出てくるということなのでしょう。なので不動産屋には出回らないんですねー。賃貸だけでなく、コーポレートマンションや、家を買う、ことにも興味が出て来て、色々調べています。(とっても買えませんけれど・・)




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