ドイツのグミメーカーの老舗HARIBOでは、毎年、新製品を開発しています。
その新作を毎年、全部試してみたい!と思っているのですが、ハリボー本社近くに住んでいるわけではないので、なかなか見つかりません。 前回の、ニューフェイス・グミその1で書いたとおり、スーパーによって品揃えが異なるので、通りがかりにスーパーがあれば必ずたちより、グミコーナーをチェックしているのですが、なかなかコンプリートできません。
しかし!ついに、先日行ったスイスのキャンディ屋で新作シリーズのいくつかをゲット!さっそくご紹介したいと思います。


ああああああああああああああああ!
ハリボーさんのセンスはよくわかりません。 なんでこんなの新作なんでしょう? マシュマロというお菓子は 触感といい、薄い肌色の色合いといい、赤ちゃんのお尻を思い出させるのは確かです。 おっぱいグミとか、ジョークグッズのコーナーに見かける事はあります。でも、なんでお尻に耳?
『お尻に耳』というのは、いわゆる『Arschloch ケツの穴』という罵倒言葉ににた言葉で、『あいつは尻に耳がついたような奴』とか 言うみたいです。お尻に耳のついたフィギュアなんかも売ってるみたいですから、メジャーな言い回しらしいです・・
 しかしこれをグミで作りたい意義はよくわかりません。 しかも、耳、カラフルです・・。耳が肌色だったら多分リアルすぎてグロいグミになってしまうので考えたのかもしれません。
これは、250グラムとかの袋入りではなく、量り売りにのコーナーに置かれているタイプのグミなのですが、 ぎっしりアクリルのハコみたいのに詰め込まれているので、おしりの部分に妙になまなましく、しわがよっています。
あかちゃんのお尻と言うより、なんだかぼってりしてて、つぶれてて、重力が感じられて、いやな感じです。一番嫌なのは、どんなに探しても、赤い耳のタイプのは 赤いグミの液が、マシュマロ部分に広がっていることです。口にいれるのがはばかられます・・。
これだけ文句ばかりならべてるわりに、実はそのインパクトに圧倒され、 グミ好きの方へのクリスマスプレゼントなどにせっせと入れてしまったのは私です。 貰った方、大変申し訳ございません。


同じマシュマロ素材とグミの組み合わせでも、カワイイのもありました(ほっ)。  
以前、ハロウィーングミのことを書いた時に、 『幽霊は、白っぽくて不定形だし、マシュマロ素材にはぴったり・・来年に期待』 と書いたんですが、まさに!そのもののグミがでてくれました!
 ハリボー社、さすがの新作開発魂です。『Axxxx mit Ohren』も、新鮮でインパクトのある形を追求していったら  ちょっと道を外れてつっぱしってしまった、ハリボーらしいデザインの一例とも言えるかもしれません。
幽霊のグミは、お尻グミより、マシュマロ部分が少々歯ごたえ有り。 日本、円山応挙みたいな、ほのかにうらめしそうな幽霊とは違い、たっぷりした袖のしわが特徴的なので そのしわを表す為に、固めにしてあるのかもしれません。 ゴーストバスターズや、キャスパー、などにでてきそうな、漫画っぽい横文字の幽霊です。
顔もよくみると、小さいのに、それぞれ異なっていて凝っています。 左端の幽霊はゴーゴー!と歯をみせ、右端は目がくりっとしててかわいいです。真ん中のは、ちょっとムンクの叫び風。 マシュマロ部分は、白と、何かの味がするオレンジグレー?みたいなのの2種類でした。
これもバラ売りタイプなんですが、バラ売りタイプは一般的に大きめなので、デザインが凝っていることが多いように感じます。
味はほのかに苦みのある柑橘系の味でなかなかおいしいです。


サッカーグミは、ワールドカップ開催に合わせて販売されたもので、各社のこだわりはサッカーグミ、の項で分析しました。
左ここでもハリボーはそのデザイン性の高さ、こだわりで他社を圧倒していたんですが、 このサッカーミックス(バラ売り用)は大きめなので、さらにすごいです。 食べごたえのある大きめのハリボー君、2ポーズ。優勝カップ、ユニフォームの4種類のほか、サッカーボールなどもありました。
なんといっても注目していただきたいのは、ハリボー君です。 ポーズを取っているのですが、ポーズだけに重点が置かれておらず、コスチュームの細部まで手がかけられているんです。 ふつうの選手は、エリ付きの半袖、半ズボンのユニフォーム。 靴下は膝のところで折り返しています。
ゴールキーパー姿のハリボー君は、長袖に、細身の長ズボンというユニフォーム。 手には分厚いキーパーグローブ。そして、よ〜く膝のところを見てください。 キーパー用のサポーター、ひざ当てを装着しているんです! す、すごいです・・。
こんな豆粒大のディティールにまでこだわる、ハリボー社の心意気を感じる逸品。


これは日本でもソニープラザなどで売っているらしい『みつばちマーヤ』のグミ。今年の新作です。 私は『みつばちマーヤ』を見ていた世代ではないので(どちらかというと『アルプスの少女ハイジ』『小公女セーラ』など)顔をみても、誰??という感じなのですが、 このグミも小さいところまでよくできています。
調べてみたのですが、多分、左から、カッサンドラ先生(マーヤの先生)、カブト虫のクルト、マーヤ、バッタのフィリップ、ウィリー。
いつも思うのですが、ハリボー以外の会社は、グミの型が甘い感じがします。イメージスケッチから起こして、立体にするまでの過程が、 ハリボーのグミはスケッチの線に厚みをつけただけではなく、ちゃんと3Dになっている感じ。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、例えば、このマーヤのグミ、カッサンドラ先生が、いかにも先生らしく腕組みをして、 『しっかり勉強してる?』とでも言いたげに微笑んでいる口元。 ちょっと体を傾けて腕組みをしている感じ、右足と左足の奥行きまでが本当に細かく再現されているんですよ〜!
他の会社のグミは、ここまで精密な型では作っていないし、なんだか角が立ってなくて、ぬるいんです。 (・・と、ここまで書いて、ふと、『お尻に耳』のグミは、でもこのハリボーのこだわりデザインにあんまり当てはまらないな〜と思いました・・。 まあ、でもこれは、ついうっかりやっちゃった〜、創業80年ともなると、こういうこともあるよね、ということで・・)
この角のかっちりした感じは、ハリボーのグミの硬度が高いことにも関係があるかもしれません。やわらかい素材ではカリッと角がでてこないからです。


なんにしろ、来年のハリボーの新作にもやっぱり期待! 味にはまったくこだわりがゼロでありながら、形に対するこのこだわり。本当に尋常ではありません。 いつか、ケルンで行われるお菓子メッセにも行って、いち早くハリボーの新作をチェックしてみたい・・ グミデザイナーさんとかがいるのでしょうか?そういう方にお話をきいてみたいものです。

先日、新聞では、ハリボーの会社で後継者問題が起こっていると報道されていました。 つい最近まで会社社長だった、ハンス・リーゲル(3代目)が、急に辞めると言い出したため、2代目ハンス・リーゲル(80をこえるお方)が 再度、社長になり、次は誰にするか、を考えている、という話でした。
何人も息子さんはいるようですが、やはり、ハンス・リーゲルじゃないと、ハリボーにならないので、こだわっているんでしょうか? (ハリボーは、ハンス・リーゲル・ボン(地名)の略語です)
例えば、息子さんの名前がイェンスさんだと、イェリボー、クラウスさんだと、クリボー。クリボーは案外可愛いですね。 あっ、ハインツさんでも、ハリボーですが、ペーターさんだとペリボーになってしまいます。
他社からの誘いがひきもきらないようですが、家族経営を続けていく意向を見せているようです。


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