近所のスーパーではHARIBO のものが充実。対抗ブランドKatjesの割合が多いスーパーもあるのでこれは店に寄るようだ。
 ドイツ食、 まずはドイツを代表する駄菓子、グミから。

ドイツ駄菓子界におけるグミの立場は非常に高い。というかまず驚くのがスーパーにおけるグミコーナーの充実度です。次に驚くのが、その量!なんと1Kg パックなどもあり、通常は200 g より。デパートのお菓子コーナーでは量り売りが充実しており、袋モノでは扱っていない、色々と変わった形のモノが手に入ります。 Kiosk では大きめのグミの1個売りをしています。電車の待ち時間に、ちょっとひとつまみ、ということでしょうか。コンピュータメッセや、郵便局のイベント、ホテルの枕の上、銀行の窓口など一見関係無さそうな所でも、オリジナルな小パックが見られます。

面白い所では、先日オープンしたユダヤ博物館のお土産売り場にも、ユダヤ語のパッケージでゼラチンが含まれていない、ユダヤ教の人向けのグミが並んでいますしグミを使った自由研究テーマの本やホームページ等も充実しています。

なぜそんなにグミが好きなのか?ドイツ人に聞いてみると、グミは健康的な食べ物だ、と主張します。ゼラチンが豊富に含まれていて、骨や肌の発育に良いと。ドイツ人が平均して身長が高いのはここに秘密が?!低カロリーでヘルシーな食べ物だと思っている人も居るようです。(これは嘘。砂糖とゼラチンで脂肪こそ少ないですが、カロリーは高いです。)しかし毒々しい色、形から言ってもヘルシーというところからは程遠く見えます。

まあそれはともかく、グミの食感がどうも、ドイツ人の口のツボをそそるようなのです(?)。







驚異の1Kg 入り。パン屋やキオスク などに置かれてバラ売りのこともある。
(右) コンピュータメッセで配られた携帯電話会社O2のもの。 (左)郵便局のイベントで配られた配達車形。色や形が簡単に加工できるのも人気の理由か。

ドイツのグミは全体的に日本のグミより固いです。
ゼラチン入りのモノと入っていないものでも固さが違います。
ここでは同じくらいの大きさの、ゼラチン入りのグミで比較してみました。




左はLOTTE のドラえもんグミ、右はHARIBOの熊のグミです。ドラえもんグミの方がやや大きいようです2つをそれぞれ、ピンセットで力一杯つまんでみました。その結果が下写真です。ドラえもんグミの方がピンセットにめりこむように柔らかい感触でした。ドラえもんは見る影もありません。一方、HARIBOのグミの方はつまもうとすると、弾力がありすぎて飛び出してしまいます。押さえ付けつつなんとか写真を取りました。これが熊に見えるかどうかはともかくとして、形がほぼ保たれています。

色々なグミを試食し、ドイツのグミは一般的に日本のグミより歯ごたえがある、という結論がでました。これは、日本人の食嗜好が、ドイツ人より“柔らかい”傾向というのも関係するでしょうし、ドイツ人の方が日本人よりアゴが強く、歯並びが肉食動物のそれ、噛み切る力が優れているということにも関係するかもしれません。(これはドイツの歯医者さんで耳にした話)

しかし、ドイツにも例えば、Katjes のヨーグルトグミのような柔らかいグミというのは存在します。(右写真)しかし、この“柔らかい”、は日本のモノとはまったく異なる食感、弾力の無い感じで、ドラえもんグミに見られるような柔らかい中にも、形を再び保つ弾力がある、というのとは違うのです。外側は固めなのですが、中は柔らかく、指で押すと割れてしまいます。ちなみにこのグミはゼラチンは全く含まれておらず、代わりに、ジャム等を固めるのに使う、ペクチンのみが使われています。上写真のドラえもんグミもゼラチンの他にペクチンが少々含まれているようですが、HARIBOのグミにはゼラチンとミツロウが含まれています。






様々な種類のあるドイツのグミ。ゼリー素材で成形が簡単ということからか、オリジナルな形のモノが色々見られます。また、イースターやクリスマスなどの時期になると季節限定の形(味ではありません。。。)が現れます。マシュマロ素材との組み合わせなど工夫をこらしたもの、プチプチした素材をまぶしたものなど、味以前に見て楽しむ要素がいっぱい!袋のパッケージでビジュアル部分を補えない、グラム売りのコーナーでは、個性を主張するモノが多く発見できます。


イースター時期限定のプチプチ卵。表面のプチプチ部分はコーティングした砂糖。中のグミは柔らかく、ゼリーに近い。1つで胸焼けがするほど人工的で強烈な味と甘味。

カタツムリ型のグミ。体の部分がマシュマロ素材、殻部分がグミ。体の表面のスジなど、ドイツに居る巨大なナメクジそっくり。良く観察されているのだが、食欲をなくす。
袋モノのパッケージは、HARIBO がまん中を透明にして中身を見せる形にしているのに対し、Katjesは不透明の袋に写真プリントにしています。グミ本体の色がHARIBO の方が毒々しいまでのキッチュでカラフルな色で、Katjesの方は、自然の色素を使った淡い色味であることが関係しているのかもしれません。



さて、これらグミの成形はどのように行われているのでしょうか?一番ポピュラーな、HARIBO の熊型グミ(前出)が作られていく様子を見てみましょう。もともと、1922年にHARIBO が設立された時“踊る熊”というアトラクションが各地で行われ、子ども達の人気となっていました。HARIBO の設立者である、Hans Riegel は そこからアイディアを得、踊る熊型の原形を作り、売り出しました。(右下写真) 現在、その形は少々丸まって、小さく、ぶ厚くなりました。(左下写真)

キオスクなどでバラ売りされているグミ”ホウレン草と卵”。卵の黄身部分がグミでホウレン草と白身部分は固めのマシュマロ。

薬局で売っているビタミンC入り蜂蜜グミ。完成度の高い細部までこだわった形。

デパートで量り売りされているグミ。カラメル部分がほろ苦くて美味しい。プディング部分はミルク味のグミ。



それらの原形はまず、大きめに作られます。石膏の上にデザイン画を書き写し、精密に彫り上げます。
それをもとにコピーがとれるような型を作ります。その型を使って小さい石膏型を大量につくり、それらを100個ずつ並べ、スタンプのように、コーンスターチの上に押し、その凹んだ形の部分にグミ液を流し込みます。長時間の乾燥時間をおいた後、透明度を高めながらも互いにくっつかないような企業秘密が施されます。

そのあとは 、100 g、200g、 250g、 350g、 400gのパックに分けられてパッケージにおさめられ、世界中へ送りだされるわけです。(情報提供:HARIBO)


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