芋に続き、ドイツ食材探訪は、キュウリです!
一年中見かけるとはいえ、身体を涼しくする効果があるとかで夏にぴったり、俳句の夏の季語にもなっているキュウリ。そんなキュウリはドイツ語ではGURKE - グルケ - と言います。しかし、和独の辞書には Gurke = キュウリ と載ってはいるものの、ドイツのグルケは私の知っているキュウリとは似て非なるものでした。まず、日本でみるキュウリより太くて長い。なんというか、1.5割増の大きさで味も同じく、1.5倍くらいに薄まったような大味。日本のとげとげが痛い、味の濃いキュウリを懐かしく思っていたところ、昨日市場で普通のドイツキュウリよりもさらに太く、コロンとした形のキュウリにあるまじきキュウリを発見。これがキューリ?グルケ?
さっそく試してみることにしました。

キュウリというものは細長いものだと思っていましたが、これは瓜という感じでしょうか。
比較の為に日本製の箸を添えてみました。となりの小さいキュウリは、ピクルス用のキュウリです。キュウリ?瓜?ズッキーニ?と私がひねくり回していると野菜スタンドのおばちゃんが、料理法を教えてくれました。『サラダとかにするんじゃなくて、炒めたり、煮たりするのが良いの。タマネギとベーコンをいためて、キュウリを刻んだのを入れて、塩胡椒!日本では食べないの?美味しいよ!』とのこと。そこでさっそく買って帰り、ザクッと包丁を入れてみると、まさに断面は瓜かメロン。(下写真)キュウリだとすれば種は取りませんが、食べてみるとあまり美味しく無いし炒めものには種が無い方が良いかと、スプーンでかき出します。皮は普通の胡瓜と同じくちょっと固めで渋味があったのでところどころ残すように剥いて、オリーブ油でさっと炒めて塩胡椒してみました。
これが意外や美味しい!
見た目から、もうちょっと瓜っぽい味かと思っていたのですが、キュウリ特有の緑くささはありながらも、いためるとじっくり味がしみ込んで、美味しいんです。冬瓜の味噌炒めが好きなので、半分は味噌炒めにしてみました。これまた案外いけます。でもどちらかというとシンプルに炒めて胡瓜の味わいを生かす方が美味しい気がしました。
日本にも、同じような体型をした、加賀太胡瓜という品種があるようです。シベリア大陸から渡来したとのことですので、シベリアからドイツにあってもおかしくないですね。ドイツではけっこう食べられている品種のようです。
しかし胡瓜と言って、こんなに太くてなにやら巨大なものが出てくると本当にびっくりです。和独辞書で見るだけではわからない、言語の解釈のズレというかなんというか・・。びっくり/おいしいドイツ胡瓜体験でした。


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