先日オランダはロッテルダムに行って来ました。ロッテルダムは新しい建築が街中にあふれ、どこを見渡しても不思議な形のビルが目に入ります。 またEU最大の港町なので、運河、船の泊まっている港があり、しっとりした海風が吹いているのも、海無し街ベルリンから来たので感激!
ユースみたいなところに泊まったのですがちょうどコルブボール(バスケットとハンドボールの中間みたいなスポーツらしい)の世界選手権があった関係で、 ホテルはジャージ姿の若者で溢れていました。朝食時は彼等がもりもり食べ、コーチに指導を受けているにつられ、 ドイツ朝食(ヨーグルト、黒パン、チーズ、ハム)にも似た、ずらりと並ぶオランダ朝食に取りかかっていました。 ドイツのホテルも、小さな安ホテルであっても、十数種類のハム、チーズが惜し気無く並べられ、 それに数種類のヨーグルト、クワーク、卵、フルーツが並んでいるので驚きますが、オランダも同じく。 よく『オランダ人はケチ』と耳にしますが、こんなに沢山並べちゃって良いんでしょうか?
しかしオランダ料理と言われても特に何も思い浮かびません。オランダらしい朝食ってどんなものなのでしょうか?
オランダで見つけた、独特の朝食のお供を御紹介。

それはこの“ハーゲル”です。上写真左から、フルーツ味のハーゲル砂糖/右上チョコレート、下はミルクチョコ。
ホテルにあった観光ガイド本には“オランダ人らしくふるまってみよう”という項目があり、朝食の項には『パンにバターかピーナッツバターを塗り、チョコか砂糖のハーゲルをたっぷり振りかけよう。これで君もオランダ人!』等と書いてあります。
えっ、このケーキとかアイスにかけるチョコスプレーみたいなのをパンに振り掛けるの??
ドイツでも朝食は甘く無いと気持ち悪い、日本風な塩っぱい朝食は食べられない、という人は多いですし、 実際、ヌテラというこってりした血糖値の上がりそうなヘーゼルナッツ・カカオクリームを黒パンに塗った朝食は一般的に食べられています。 しかしバターを塗って砂糖・チョコスプレーをかける???うっ。。
しかし郷に入っては郷に従え。普段はバターは好きではありませんが、塗り、まずはフルーツ味の砂糖をぱらぱら。 じゃりっ、ザクッ。口の中がジョリジョリして、その後粉っぽいフルーツの味が広がります。・・・・お、美味しく無い。。 次はチョコに挑戦です。ぱりぱりしたチョコは砂糖よりはちょっと食べ易いかも。でも、普通にジャムとかの方がパンには合いそうです。

朝食でこれを試してみた後、私にはこれがいったいオランダで一般的なものなのか?という疑問がわきました。 もしかしてこのホテルの人がこういうのが好きなだけかも。ホテルの近所にドイツでもお馴染みのスーパー、スパーがあったので立ち寄ってみました。 あっ、ある・・・。しかもすごい種類が・・・・。 ホワイトチョコレートが混じったもの、砂糖粒とのミックス、そして小さな粒でなく、チョコレートから削り取ったような大きめのチョコフレーク。 砂糖もフルーツミックス等まとめて大量に売られていました。 調べてみると、オランダの食べ方は朝食がこういったパンにハーゲル、チーズ、ハム。 昼食も軽いもので、夜も作り置きのスープが多いとか。そしてドイツと同じく“ピカピカのキッチン、台所を汚したく無いので揚げ物とかはしない”のだそう。 こうしてみるとほとんどドイツと食傾向は同じようなのに、何故こんなチョコスプレーが好きなのでしょう。
帰って来てその話をドイツの友人達にしたところ、『ハーゲルの砂糖は苦手だけど、チョコの方はけっこう好き!ドイツにあまり売って無いから食べないけど。』というお言葉。 味としては嫌いではないようです。

ピーナツバターにハーゲル砂糖
塩っぱく甘くジャリジャリ。
日本の甘い朝食、といえば
名古屋の餡トースト。
あれもすごいですが。
ドイツの甘いものはあまりサクサクした歯触りのものはなく、ねっとりしたものが多く、朝食に出る甘いものもジャム、ヌテラ、クワークともったり重たい印象。さむーいドイツではこれくらいじゃないとダメなのでしょうか。変わってオランダはさくさくしたビスケットやラスク類がドイツより充実しています。そういったことからこういった軽い歯触りのチョコや砂糖が好まれるのでしょうか。微妙な類推ですが。
一般的には『普通はバターパンなのだけれど、ほんの少〜しの贅沢、という感じでチョコや砂糖の粒を振りかけるケチオランダ人』という風に考えられている様です。そういえば、ベルリンであったオランダ人も『煙草は他人からもらったのじゃないと美味しく無い』とか言っていました。オランダ人=ケチというのはやっぱり本当なのかもしれません。
でも何にせよドイツ人よりオープンな感じがしてつきあい易い印象を受けました。それも、周りを外国に囲まれた小さな国ならではの性格形成なのかもしれないなあと思いました。



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