6月になると、白くみっちりと咲き始めるホルンダー。日本名はニワトコ、と言って、スイカズラ科の低木だそうです (ドイツのはけっこう背が高いですが)。日本では鶏の止まり木に使っていた事から、ニワトコ、の名となったとか。 昔はお茶を作り、薬として飲んでいたそうですが、今はシロップを作ってそれを水とかお酒で割って飲むのが主流のようです。
しかしホルンダー、実でジャム、花でレモネードが作れる・・と聞いても、実際、その花、実を摘みに行こう!という気にはなりませんでした。 第一に、ベルリンで咲いているのをちゃんと意識して見かけた事がなかったから。そして、道路沿いに咲いているのは美味しいとは思えなかったし、 実際飲んだ事もなかったからです。
しかし、今年ホルンダーシロップを飲む機会があり、ホルンダーの美味しさに開眼。 ほのかな酸味と、ライチにも似たかぐわしい香り。これはシーズン中に何か作ってみなければ!と思い立ちました。
何を作るのが良い?と周りの人に聞くと、皆、口を揃えて『ホルンダーゼクト!』
発酵させて作るなんて面倒くさそう?と思ったのですがとっても簡単。しかもしゅわしゅわっとした口当たりがまさに夏向きの飲み物! 香りの良いホルンダーを見かけたらぜひ作ってみて下さい。



《材料*4〜5リットル分》
ホルンダーの花房(花がまとまって咲いている房状のもの)・・・・10房
ワインビネガー・・・・・・・1/8リットル
砂糖・・・・・・・・500グラム
レモン・・・・・・・・1個
水・・・・・・・・5リットル

《作り方》
1:花を摘んで、細い茎の所で切っておく。軽く洗って水を切る。
2:鍋に花を入れ、水(私はミネラルウォーターを使いました。)、砂糖、ワインビネガー、スライスしたレモンを入れ、乾いた布巾で蓋をして暖かい所に置きます。
3:時々、清潔なスプーンでかき混ぜます。
4:2〜4日程それを繰返していると、醗酵してぶくぶくと泡が出て来ます(右写真)。
5:綺麗に洗った瓶やグラス(醗酵が続くので密閉容器でないものを)に布巾で漉して入れて、冷蔵庫とかに入れておきます。
3:1週間程たったら飲み頃です!


ほんのりとライチのような花の香りが口の中に広がって甘過ぎない、 このホルンダーゼクトは暑いさかりに飲むと汗がひいて本当に美味しい! 食事に合わせるというより、このままゴクゴクと飲める感じです。 醗酵しているのでアルコール分はいくらか有るのでしょうが、ほとんど感じられず、軽いソーダ水の味わい。

ちなみに、醗酵させるのが面倒なら、シロップがオススメ。水で割って飲むのが一般的ですが、シャンパン、ワイン割りも美味しいそうです。

《材料*1/2リットル分》
ホルンダーの花房・・・・・・・5房
砂糖・・・・・・・・・・・・500グラム
レモン酸(Zitronensaeure)・15グラム
レモン・・・・・・・・・・・1個
水・・・・・・・・・・・・・350cc

《作り方》
1:花を摘んで、細い茎の所で切っておく。軽く洗って水を切る。
2:水と砂糖を混ぜて湧かし、シロップを作る。
3:シロップにレモン酸を溶かす。
4:3にレモンのスライスと花を入れて丸1日放置しておく。
5:綺麗に洗った瓶やグラスに布巾で漉して入れる。

お好みの濃さ、お好みの飲み物で割ってお楽しみ下さい♪香が良いので、ゼリー寄せとか、ムースとか、冷たいお菓子のアクセントとかにもなるかもしれません。

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