グミ王国、ドイツ。ドイツのスーパーには必ず袋グミがあります。そして、デパートにあるのは、量り売りグミ。今回は、袋グミとはひと味違う、デパートの量り売りグミの中でもなぜこんな形を食べ物に?と思わず疑問に思ってしまうような奇妙でグロい、巨大なグミをどーんと御紹介!
色々あるデパートの中でも、私が知っている中で一番品揃えが良いのが、西ベルリンの高級デパートとして鳴らした、KaDeWe。東京で言うと、日本橋三越のような店構え、品揃えのお店ですが、その最上階にはセルフサービスのレストランがあり、その一階下には充実の食品コーナーがあります。食品コーナーは、生鮮食品あり、お茶、コーヒー等も揃う他、実際そこで食べられる小さなお店を様々な食品コーナーで揃えているのが珍しく、人気を集めているよう。例えば、ものすごい匂いのするチーズコーナーでは、チーズをつまみにワインを飲む人たちが沢山集まっていたり、モエ・エ・シャンドンのシャンパンコーナーなんかも。

お菓子コーナーは、日本のデパ地下とはとても比べ物になりませんが、ゴディバやノイハウス等のチョコレートはガラスケースにたっぷり並んでいます。そのチョココーナーと、エスカレーターを挟んで別の側にあるのが、キャンデー等の量り売りコーナー。イタリアやフランスの包み紙の可愛いキャンデーももちろん素敵なのですが、その前にそびえるプラスチックケースの棚が、今回のお目当て。量り売りグミの棚です。 
グミの棚は2つ。1つは巨大グミ、ちょっとかわった味のグミ等。もうひとつは真っ黒なラくリッツのグミの棚。
まずは、透明の袋を1枚取って、そこにあるハサミの形をしたトングを探しましょう。量り売りのグミのコーナーには、たいてい、スコップみたいな物がよく置かれていますが、巨大グミは大きさが大きい上、けっこうお互いにぺっとりくっついているので、スコップ型では扱いにくく、落っことす危険もありますし、自分の好きな色のモノを探すのに奥からひっぱり出す作業もしにくいです。トングは挟む形なので便利。シャキーンとハサミを構え、狙うのは・・


・・・最初の獲物は、もちろん、これ!ヘビです!
にょろ〜〜〜〜〜〜〜〜にょろにょろ。
長い長い。頭の部分がちょっと大きめ、あとはじゃばらの様になっています。 腹側にはマシュマロがついていて、なかなかヘビっぽい。かなり弾力があるのですが、ちょっと真直ぐにしてみると、なんと40cmもありました!! す、すごい!
厚みもけっこうあるので、食べごたえあり。普通のグミは、『口にポイッ』ってできるけれど、これはまさに『格闘』。 しっぽから噛み切ると、ムーッチ、とまるで分厚いゴムを噛み切ったかのような音が。 普通の熊のグミなら、3つくらいを重ねて噛んだような感じでしょうか。噛みとった数cmを口に含んでゴッシャゴッシャ。 なにか、普通の食べ物を食べているような歯ごたえと、胃袋への重圧が感じられます。 味はフルーツ味で、大抵2色(味)が40cmの間にシマシマに出てきます。オレンジと緑はパイナップルみたいな味となんだか甘いオレンジみたいな味。
このヘビのような長いグミは、お祭りの出店とかでもよく売られていて、食べきれずに持て余し、口から残りをぶらさげている子どもをけっこうみかけます。 ミミズみたいでなんだか気持ち悪くなりますが、実はこの巨大グミ、ほとんどの形が、げげっ、なんでこんな食欲をそそらない形にするの・・というような形、 動物のものばかり。しかも、けっこうどれもリアル。 食べ物として食す、というよりは、グミの、ぐんにゃりとした気持ち悪いような食感を生かして作った、 人を驚かせたりするのに使う玩具みたいに考えているのかも知れません。

続いてこの2つ。正に、えぐい、パッと見た時に、げげげっ、とのけぞってしまうようなグミでございます。 なんで、なんでネズミ・・しかも、可愛く無い、ドブネズミ系の、太くてぷりぷりしたしっぽ、ごわごわした毛並み。 色も、紫とか黄色とか、形と相まって、気持ち悪さを助ける効果たっぷりです。しかもこの大きさ!そばに置いてあるのは1ユーロ硬貨。 大体100円玉くらい。でっかいです。
顔とか、耳、手足もかなりリアルに作ってあって、食べるのにかなり勇気がいります。 ヘビはまだ、なんというか、長いヒモ、と自分を騙すこともできましたが、このネズミ、鼻先、手先、しっぽ、どこから食べても、 ネズミっぽさ満点。ネズミが苦手な人なら、卒倒ですね。 味は普通にフルーツ味ですが、ネズミらしく、厚みがあるので、もっちりしてて、グミというより、弾力のあるゼリーのよう。 全部食べるのには勇気も、体力(顎の力)もかなり必要とされます。
そして、私が一番、今回、食べたくなかったのが、蜘蛛の形のグミ。よーくよく見れば、全然リアルじゃないんです。 蜘蛛はもっとモコモコと立体的。脚で体を支えている蜘蛛が、柔らかいグミ素材でリアルに3Dで再現できるはずはなく、 グミはひらべったく、脚もリアルな付き方をしていません。が、しかし。
丸っこい頭に描かれた、目とも模様とも言いがたいもの。胴体の筋模様と、脚の節。節の部分が、 妙に、タランチュラとかの、毛むくじゃらの蜘蛛を思い出させて、かなり気持ち悪くなり、買う際にもかなりちゅうちょしました。 べっとりと重たくて、トングで挟んでも、なんだか動き出しそうに感じるんですよ。恐ろしい・・。 あえてポップな色合いで、なるべく蜘蛛らしく無いモノを選んだつもりですが、それでも、グロい。 脚を噛み切るのは恐かったので、お尻をちょっとパクリ。ねずみよりは薄く、ちょっと固めのフルーツ味です。 色は、毒毒しい紫とオレンジのまだら等色々有り。

次の2点は、は虫類系で、ギリギリ、可愛い方向のグミ。お馴染みのカエルの形のグミですが、 大きく作ると、足の吸盤の部分も、腿のちょっとした太さも凝ってます。 お尻の部分がちょっと他の部分より厚みがあり、足先が薄くなっているのも芸が細かい! 吸盤はぷりっとクローバーのように広がってて、かわいらしい。 小さいカエルグミは、お腹の部分は白いマシュマロでしたが、大きいグミでは黄色いマシュマロで、表面に酸っぱいグラニュー糖がまぶされていて、 なかなか美味。カエルは、ぶつぶつした表面のがまがえるは気持ち悪くても、小さくて目がくりっとしたアマガエルはカワイイもの。 このグミも、そういうカワイイ方のカエルになっていると思います。
もうひとつはワニ。ワニは、本物のワニも、気持ち悪いというより、乾いたこわカワイさが感じられる動物。 グミは、かなりデフォルメされていて、可愛い感じです。もっとお腹を膨らませたりしてさらに可愛くもできたかもしれませんが、 フルっとして、乾いた歯ごたえのしっぽが良い感じ。厚みがあって、歯ごたえも十分ですが、表面はかなりサラッとしていて、食べやすい。 多分素材的には、ネズミも、蜘蛛も変わらないのでしょうが、見た目が違うだけで、随分味と噛みごたえから受ける印象が変わるなあと、ワニを食べて思いました。 ワニも、しっぽから食べ、お腹あたりで、息切れがしてきます。

そして、全くグロくない巨大グミもたくさんあります。普通にあるグミをただ大きくしただけのものも多く、 例えば、熊型、プリン型、チェリー型、なんかはどこのデパートの量り売りでもみかけます。 KaDeWeでは、魚類(魚だけでなく、イルカ、ヒトデなんかも有り)や、バスケットボールシューズ、いちご型、 トウガラシ型、キャラクター系では、スマーフの形なんかもありました。 これらのグミの多くが、大きいわりに薄く、グミのようなぐにゃぐにゃした食感ではなく、 ジャムを固く煮詰めたような固さと甘味があって、歯の詰め物が取れたり、歯が痛くなったりするので要注意。 (いちご味はかなり安い、いちごジャムの味がします) 私はちなみに、スマーフ型を食べた後、歯医者に行くはめになりました・・。
KaDeWeに限らず、Karstadt とか、Galeria Kaufhofとか、デパートによって品揃えが微妙に違い、 新しいデパートに足を踏み入れる度、ついつい量り売りグミ売り場をチェックしてしまいます。 しかし、実のところ、味わいはほとんど、同じなんですけどね。大きさこそ変われど、見た目、で味わうモノなのでした。

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