べルリンのクリスマス市、第四弾は私が一番好きでよく行く、オペラ座の隣にあるクリスマス市です。
ベルリンはブランデンブルク門から広く長く続く目抜き通り、ウンタ−・デン・リンデンに面したここには普段でも日曜日になると、工芸品の市が立つのですが、クリスマス市となっても、アクセサリー、木の玩具、陶器、ランプといった工芸品の出店が多く目につきます。

私がここによく来る理由の一つに、木製品を扱う店があります。ハンガー、表札、まな板、玩具、台所用品・・・こういった店はどこのクリスマス市にでもあるのですが、ここの市に立つ木製品を扱う店には、彫刻を施した木製のバター型があるのです。昔はどこにでもあったモノらしいのですが、最近はほとんどみつかりません。しかしこの市にくれば必ず見つかります。ちょっと深めの凹型の表面に鳥や花、牛や魚といった模様が彫られ、この木型をしっかり水にひたし、そこに柔らかいバターを入れて、冷蔵庫に入れて冷やし固めます。しっかり固まった所で木型をはずすと、バターの表面に模様が浮き出ているというわけです。この他に、クリスマス用のアニスクッキー型なんかもあります。バターだけでなく、手作り石鹸の型にしたり、陶芸の模様作りに使うことも可。この型だけでなく一つ一つ手作りの木製まな板や台所用のへらや杓子は手にしっくり馴染む逸品ばかりです。


もうひとつ、この市でしか見かけた事のない出店が“写真館”です。
まるで19世紀にタイムトラベルして、まだ珍しかった写真館で記念写真を撮るかのような体験ができるこのお店。店内にはアンティークドレス、帽子等、歴史映画で使われるようなコスチュームが十数種類揃っており、お客は好きな衣装を選び、小道具(旅行鞄等)を添えてレトロなセピア色の写真におさまります。
私が見た時にはちょうど、カップルできた女の人の方がドレスにレースの日傘で着替えをする所。最初はジーンズにセーターで髪を後ろに束ねてスポーティな感じだった彼女は、髪を下ろしてドレス、毛皮のショールを身にまとうと顔つき、物腰まで変わってしまい、お店の人は連れの男の人に『見違えたでしょ!』と声をかけていました。お客の多くはひとりより、観光できたグループ等が全員で水夫と船長に扮装したり、家族で揃って中世の騎士とお姫さまになったり・・というパターンが多いそう。1人9ユーロ、それから後は1人増えるごとに2ユーロとむちゃくちゃに高値でもないですし、大人数で撮る方が経済的。ベルリン旅行の記念にパチリ!!
さて、オペラ座の隣には、マジパントルテ、シュヴァルツ・ヴェルダ−等、ドイツっぽい濃厚なケーキの種類が他のカフェに比べ群を抜いている、オペルン・カフェーがあり、そのカフェのある通りにも、市の出店が広がっています。

ここのカフェーからもグリュ−ヴァイン(ホットワイン)の店が毎年でていて、オリジナルのカップがいつもシックで素敵なのですが、今年もこの店を探してうろうろしていたところ、“厩のイエス”ジオラマを発見してしまいました!
夏場にはカフェのテラスとなる、階段を上がった所に藁葺きの小さな小屋があり、その中に山羊、ロバ、ラクダ(と思われる後ろ姿)が・・・!もぞもぞと動く彼等に囲まれた中央に下を向いたマリアの人形があるのですが、マリアの顔が見えないのと、大きさが人間そっくりなので、一瞬、『本物?!』ギョッとしてしまいました。敬虔な気持ちになるというよりはちょっと無気味に思ってしまうのはキリスト教でない私だけ?でも周りの人達も、ちょっと気味悪そうに遠巻きにして見ていました。そして厩の前にはボロをまとった人が立っていて、献金箱をジャラジャラと鳴らしています。うーん、これにお金を入れて、今年のクリスマスに感謝の思いを馳せるのだろうか?と思ったらちょっと不思議な気持ちになったクリスマス市巡りでした。





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Weihnachtsmarkt am Opernpalais Unter den Linden : U/S Friedrichstr. BUS 100/200 Staatsoper
Opening Time: (2003年冬現在)
24.11.-28.12.2003
Mo-Do: 12-20.30 Uhr
Fr: 12-21.30 Uhr
Sa-So: 11-21.30 Uhr




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