Lychener Strasse



リヒナー通り。ベルリン在住の日本の人なら一度は耳にしたことがある名前だと思う。
それは何故かと言うと、この通りに美味しい日本料理屋さん、ササヤがあるから。 一心マグロ亭でその味と人柄に人気が集まったシェフ、佐々木さんがオープンしたこのレストランは、寿司だけでなく、 いわゆる定食屋さんのようなメニュー(例えば、鯖の塩焼き+御飯のセット)等がきちんとあるのがとっても嬉しいレストラン。
私は、今遅まきながら、ベルリンにやって来たSUSHIブームにいささか閉口している。 ミッテだと三軒おきくらいにスシ・バーが立っているのだ!閉口・・というのは私はまず寿司があまり好きでは無いから。 もともと日本に居た時から寿司屋に行きたい〜!と思った事があまりない。 出前でも鉄火とカッパ、という定番にしてどうでもいい(?)メニュー。 イクラは好きだけれど、軍艦巻きで食べるよりは、イクラしょうゆ漬けが食べたいというくちなので、 ベルリンに来てから、ますます寿司屋に行かなくなった。そして、海外の寿司は高い。 そして海無し市のベルリンでは生魚が美味しく無いのだ。 何故わざわざ不味くて高い寿司を食べる必要がある?(ハンブルクは美味しいらしいけれど・・)
逆に日本食というと、煮物とか、焼き魚とかが食べたい。 煮物は自分でどうにかなるとしても焼き魚はなかなか大変だ。 冬に食べたくなるけれど、窓全開にして焼き物をするのは寒いし、後片付けの事を考えるとどうもおっくうになってしまう。 だから、このササヤが出来た時は感激だった。 なんと行っても日替わりメニューに現れる粕漬けとかのふっくりした焼き魚メニューが美味しい! 最近の日替わりでは海老しんじょ揚げが好きだが、ほうれん草の胡麻あえ等のシンプルなメニューも良い。
夜は大人気でなかなかゆっくりできないのでランチに足を運ぶ。昼なら、お茶もお変わり自由で、ますます日本っぽい。嬉しい。 日本人にもドイツ人にも、まんべんなく好評というのが、続出している日本料理屋と違う所だ。 味ももちろんのことながら、おう、いらっしゃい!元気?とにこやかに迎えてくれるシェフ、ササキさんと笑顔がカワイイ美奈さんの人柄も最高。 そして、ドイツ人が多い理由は、日本っぽすぎない、居心地の良いミッテ〜プレンツラウア−ベルク・カフェテイストな内装(ライトボックス、シンプルでスクエアなテーブルとイス)、そしてもちろん味だろう。 これ食べたら死んでも良い〜!!というような高級料亭ランクの味ではないが、体に染み渡る、優しい味、丁寧な仕事。適量、適度な価格。
この通りに良く来る理由といったらササヤに来るから、それだけである。

付加価値として・・というか、ササヤでお腹がくちくなったら、ぶらぶら駅まであるく途中で、この道沿いの店をちょこちょこ覗く。
道は、どぎついパステルカラーで新しく塗り直されている建物と、今だ戦争の銃痕の残るボロボロと、まったく新しく建直されたモダンな建築とが入り交じっている。 そして所々にポカーンと、空地がある。なかなか売れないのかも知れない。 そんな片隅に、『AUSLAND(外国)』という大きな看板をかかげたイベントスペースのようなものが突如現れたりする。 なんだろう、特徴のあるような無いような通りだ。


*通りのヒトカケラ*
この通りには『AUSLAND(外国)』がある。
イベントスペースらしい。そこの前のミニ盆栽・ベルリン風。






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