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さて、そんな痛い作品が山程並んでいたのがこのクンストハレ。
オーガナイズのティムとマークは入口に座って遊んでました。『学生じゃないの?でも、入場料、まけてあげるよ』とにっこり。親切なんですがねえ・・。 彼等は人気のクラブRIOをオーガナイズした仲間。 このクラブRIOは、もともとはブラジル料理のレストランだった物件で、典型的なベルリン“Zwischennutzung” (期間限定の場所の使用。廃工場や閉店した店をそのリノベーションまでの間、安く借りて使う。 ベルリンではクラブの多くがそう。Cookies、WMF、Maria等・・場所がしょっちゅう変わるのはそのためなのだ。)というやつ。 ここをオーガナイズした彼等が次に見つけたのが、この煙草工場。彼等はこの物件を、卒業製作として、大きな現代アート展示ホールにしようと計画した。 担当教授も『12%もの建物が、ベルリンでは廃虚のまま放置されている。それをいかに利用していくかは、この街に暮らす建築家の使命!』と 彼等の計画を応援する発言をしているが、その結果がこれじゃあ、ベルリンの未来は暗い・・・。 2万3千平米という巨大な敷地はしかし、確かに魅力的。だが、多分大きすぎて彼等の手に余ったのでは無いかと思う。 “Zwischennutzung”の利点はその安さと、廃虚的な建物の魅力にある。 しかし、あくまでも期間限定で、いつかは他人の手に渡さねばならないので、あまりお金をかけられないのが難点。 安いからこの場所を借りているのに、大金をかけてリノベーションするのはもったいない、というわけだ。 そして、その場所の多くは、場所が広すぎてなかなか改修費用を出せる賃借人がなかなか現われないため、安く“Zwischennutzung”されている物件。 とても前面的にリノベーションできるものではない。 で、クラブ使用となるわけだ。巨大なステレオ、ライト、カラフルなセロファン紙、ミラーボール、適当な木でバーやDJテーブル等を作って、 古い拾って来たソファーを適当にその辺に置けば出来上がり。 光りが極限まで落とされているし、かかっている音が良ければ、お客は誰もホコリがたまってるとか窓が割れてるとかは気にしない。第一踊ってるし。 私は人気のクラブに、真昼間に入った事があるけkれど、かなりショックを受けた。 昨日、あれだけかっこよく、心地よく見えた一角は、ボロボロのホコリだらけのビロードのソファー、 DIYの店で買った木を、鋸を使えない人が切り刻んで、めちゃくちゃな釘打ちで適当に立体にして、ガムテープで補強したバースタンドだったのだ。 壮絶・・。でもクラブの要は音と客層、ムードだからこれでも良い。 でも、アートはそうは行かないのだ。アーティストもアートも場所も、かなりよく練らないと全部が相殺されてしまう。 そこが、今回のオーガナイズの2人が理解して無かったポイントだと思う。 |
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『アーティストが居て、展示場所が有れば展覧会ができる。』非常にもっともな話。
企画者のティムとマークは、クラブのオーガナイズを通じてインターナショナルなアーティストを沢山知っていて、この場所を借りられた。
さあ、展覧会ができるぞ!というわけ。 |
アーティストもさることながら、アーティストを招待し、展覧会を企画した2人の方にも、この場所でやりたかった!という意義があまり感じられないのが残念。 |
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