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会場につくと、パレード車がゆっくり進み、その横を着飾った人達が歩いていました。パレード車は各々、ベルリンのクラブや、レストラン、ゲイの人権団体、エイズ患者支援団体、ゲイのスポーツクラブ等がスポンサーになっています。車はパレード車だけでなく、普通の観光バス、レンタカー、自前の小さな車、消防車(!)等もあります。消防車は、乗っている人達も全員消防隊の格好をしてて個人的に一番気に入りました。 思ったよりは派手な格好をしている人はいませんでしたが、さっそくファッションチェックをしてみました。一番よく見かけるのが皮素材、チェーン、鋲打ちのハード系。お尻のところがくり抜いてあるピチピチした皮パンツが定番で、色はもちろん黒、表皮。ビニールも有。次に多いのが羽根、毛皮をふんだんに使ったゴージャス系。紅白歌合戦の小林幸子の衣装には負けますが、とにかくカラフル、キッチュで目に楽しい!洋服の素材は、輝くサテンのたっぷり使い。そして、何かテーマを決めて仮装している人もいます。良く見かけるのは自由の女神、天使、チアリーダーとか。 タイ人かな?と思う団体も居ました。タイの貴族風で背の高い黄金の冠をかぶった人を中心に、周りは同じく金の扇のような物を持った人が囲んでいて、女王様のパレード、の趣きです。日本人チームは居なかったのがちょっと残念。やっぱり十二単でしょうかね。暑いか。 私が良いな、と思ったのは普通のトレーナーやワンピースにシャネルの値札をぶら下げて歩いていた人達。小技が効いている?!レズビアンの人達のスマートなスーツ姿も、おおっ、美しい、と思いました。しかしその中でも抜群にフォトジェニックだったのが下写真のお姫さま3人組。 ピンク、オレンジ、ブルーのドレスと同色の花を指した背の高いカツラ。ブランデンブルク門の前でお揃いのハンドバッグから煙草を出して火をつけあい、フーッと煙りを吐き出すと、そこら中からシャッター音が・・。メイク(ブルーのドレスの人の口紅が同色の青だったり)、アクセサリー(流行りの80年代プラスチックアクセ)までトータルコーディネートは抜群! |
しかし、この人達は普段はどんな人達なのでしょうね。差別を受けて、ちょっと落ち込んだりしてしまうこともあるのでしょうか。 私も外国人、マイノリティーなので、差別、同権については、色々考える所はあります。ベルリンは外国人も多く、最近はネオナチの活動も沈静化の傾向にあるので普段は、自分が差別を受けていると感じることはほとんどありません。しかし、道で通りすがりの無邪気な外見の子どもから汚い言葉を投げ付けられたり、電車内で酔っぱらいに寿司作れ、と言われたり、ツリ目!と指差されたり、『お前達がドイツで働いているから自分達が仕事が無いんだ』と言い掛かりをつけられたりするようなことがあると、些細な事ですが、グッタリと疲れてしまいます。 最初、ベルリンに来たばかりの時は、小さな事でも傷付いて、落ち込みました。ドイツ語が少々話せるようになると、ドイツ語でガンガン反論/たてつきました。しかし、最近は、だから何だ、と開き直れるようになってきました。『ツリ目!』と言われたら、逆にもっとツリ目顔にして相手を笑わせたり。 今回のクリストファー・ストリート・デーのパレードでも、この、開き直りを感じるような気がしました。差別は100%無くなると言う事は決して無いでしょう。では、それとどうつきあって行くか。目くじら立てて、差別的な人に声を荒げるのでは逆効果。自分がこの国でマイノリティーだという事実は変えられないのだから、それを好転させる方法で考えないと・・。 そんな事を華やかなドレス姿のゲイの人達に囲まれながら、考えてしまったパレードでした。 |