先日のお引越し、コンテンツの続きです。
前回、 お目当ての部屋をいかに見つけるか、というところまでお話しましたが、部屋を見つけた所で、すぐそこに入れるとは限りません。 自分にとって良い条件の物件は、他の人にとっても条件が良い。競争が激しい場合もあるのです。 ベルリンでは外国人は多いので、外国人だから不利になる・・ということは少ないと思いますが、 来独したばかりだと、ドイツ国内でドイツ人の保証人が居ないと駄目、と言われたりしたら、なかなか難しいですよね。
電話で、保証人は必要ですか、等と最初から聞く事もできますが、直接話すと案外それほどうるさく無いことも多いので、 取りあえずはまず部屋を見学してからそういう話をするのが良いでしょう。
さて、前述のHPで探した場合には、メールを送ると、『何日の何時に見学します』と返事が来る事もありますし、 ページにもう明記されていることもあります。無い場合は、直接電話して、見学の約束を取り付けます。
見学の日には、良い物件(広くて安い)なら絶対、何人ものライバルがやって来ます。
彼等に勝つためにも、約束の時間よりちょっと早めに行くのは有効。特に、その約束が集合地が不動産屋なら、ちょっと早めに行って、 世間話をしたりしながら自分をアピールするのも良いでしょう。間違っても『不定職の外国人アーティスト』だなんて、本当の事を言ってはいけません(笑)。 嘘は駄目ですが、不利なことは口に出さないのが原則!
大抵の住居は、その住所の前で待ち合わせすることが多いですが、こちらも遅れない方が良いでしょう。 見学者が何人か集まるまで外で待っている人もいますが、人が来た時点でドアを開けて、すぐ住居見学を始めてしまう人も居るので、早い方が、その部屋を早く1人で見られる確立も上がるのです。
行く時のかっこうとか、持ち物ですが、身分証明書を持っているのは、もしすぐ入居したくなって書類作成をすることになったら必要なので、良いかも知れません。 かっこうですが、私は、いくつかの住居で、『外国から来た学生とかね、入れたく無いんだよね〜。』という扱いを受けたので、 その後の住居見学では、こぎれいな格好をして、いかにも働いてます〜風に装いましたが、 ドイツ人に言わせると『外見の良し悪しより、銀行口座にお金が入ってて、定期的にお金がそこに振り込まれている証明ができる事が大事。 それを証明できれば、不動産屋にとっては、ボロボロの服を着てようがなんだろうが、関係ない。』そうです。
まあ、ね。

住居見学担当の人は
ファイルを小わきに抱えた
女の人が多いです。
ハロー、とにっこり挨拶、
で好感度アップ?
ベルリンではあまり
有効な手段じゃないけれど、
印象は悪く無いにこしたことはない。


部屋をチェック。
この部屋は120平米もあって
300ユーロと格安だが、
電気の配線等、大幅の改装が必要。
さらに、暖房機が小さい上
不動産屋も使い方が分らない
謎の東独プロダクトで、
見学者は頭をひねっていた。
自分で直せるの、これ?
安いけど、改装費がかかるよ〜!
とこっそり相談中


さて、いよいよ部屋に入り見学。
入ったとたん、『コレだ!』と思えば、それが運命の住居です。(と、私は思います。 けっこう見た瞬間に、借りたく無いと思わない住居は、やっぱりダメ)
しかし、運命の住居!と思っても、何らかの大きな問題が隠れている事もあります。 それは、その住居の良さを打ち消すくらいの問題だったりする事もあるので、慎重にチェックしましょう。
私のチェックポイントとしては匂いです。何か問題のある家は匂いが良く無い!カビくさかったり、湿気のもわっとした匂いがしたり、 人が長く入ってなくて埃っぽかったり・・。入居者が居ないということは何か問題があったはず。

*暖房機が部屋に対して小さすぎないか。
(特に、石炭ストーブをセントラルに改装した場合は部屋が十分に暖まらない事有。)
*お風呂場の水回り。
(窓が無い場合は換気もチェック。カビていると面倒。)
*洗濯機の排水管。
(自分で取り付け工事するのは大変)
*道に面している家なら窓の締まり具合、騒音チェック。
*床がフローリングでないなら張替え出来るか等チェック。

配線、電話線等
特に暖房は工事となると大金がかかる上、一つの家だけでは改装できないこともあります。 水回りも自分で直すのは大変なので、もう改装されている場合は良いですが、自分で改装しないと住めないような住居の場合は要チェックです。
さて、チェックも済み、やっぱりこの家借りたい!という場合。他に借りたい人が居ない場合は、そのまま、契約に入ります。 もちろん、向こうが保証人や敷金礼金を要求した場合、それが満たせなければ、借りられませんが、例えば保証人の代わりに敷金を多めに払う、 家賃を前もって払う、等の措置を取れば、貸してくれる事もあります。気に入った部屋なら、なんとか貸してもらえるように交渉してみましょう! ベルリンは他のドイツの国に比べてユルいので大体、別条件でOKが出ます。
借りたい!という人が多い場合。これが問題です。願書のような書類(名前、住所、職業、月収等を書き込む)を提出し、 不動産屋がその書類をチェックし、貸したい人から電話をかけるのです。リストの上の方の人が、もっとイイ部屋を見つけて、借りません、と言った場合は、 次の人に・・という風に回って来ます。
私の今の部屋はライバルが多く、皆借りたがっていたので、書類を提出して皆が帰ってしまった頃を見計らって、 見学担当者に駆け寄り、『私はすぐさま借りられます!』と強調。次の日、無事にリストの1番最初として、電話がかかってきました。 『あなたが今、リストの一番最初です。もし、すぐ借りないなら他の人に電話し、彼等が借りたければその人達に回します。』という電話だったので 『すぐ!明日からでも!今日契約します!』と返事し、その日のうちにお金と銀行口座の証明書等をひっつかんで契約に行きました。
部屋の契約書は、一般的な条項が書かれた物だけでも10ページ程あり、読むのは大変です。 一般契約は問題ない事が多いのでざっと目を通すだけで良いんですが、チェックしなければならないのは、その一般書類に、新しく付け足された条項等。 私の場合は、地下室が使用できないのと、5年たったら出て行く事、というのが付属事項でした。
無事契約書にサインし、敷金を払ったら(敷金口座という口座があるので、不動産屋にはお金を直接渡すのでは無く、口座の契約書を渡す。 敷金は、部屋を出た後、半年後に、その利息とともに返却してもらえることになっている) はい、その部屋はもうあなたの物です!
後は荷物が多い場合は引越が大変なんですけれど・・・その話は、また今度。




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