現在滞在している所から2キロ程離れた所に泳げる湖がある!と聞いて、天気が良かったのでさっそくでかけてみました。 車で行けば15分もかからないのに、歩いて行くと、通行人用の道のない大通りを避けて行くのでかなり遠回りで2時間くらいもかかってしまいましたが、 牛が放牧されている横を通り、花畑を過ぎ、イラクサにさされ、バッタに飛びつかれながらの散歩道はなかなか楽しいもの。 最後の最後で、大きなトラックがバンバン走る道路にぶつかってしまい、湖の入口を目にしながら、どうしても徒歩では危ない、ということになったのだけが残念でしたが、 断念した所に大きな苺畑があったので、じゃ、今日は苺摘みしましょ、ということになりました。それもまた楽し!
白アスパラガスの項に書いた、 ベルリン近郊ブランデンブルクには、アスパラガス、苺、ブルーベリー摘み等が楽しめるスポットが沢山ありますが、まだ行った事がありませんでした。 なので、今回の予定外の苺摘みはとっても嬉しかったです!

広々とした苺畑。
子連れの人が多かったけど
1人で来て黙々と
摘んでいる人も。

さて、ここでの苺摘みは、時間は決まっておらず、取っただけ、500グラムずつ計量してお金を払い、持って帰る事ができます。私達はたまたま通りかかったので籠を別に買いましたが、バケツを山程車に積んで来ている人達も。畑の隅っこの方に連れて行かれて、『じゃ、ここから始めて。もし苺が見当たらなくなったら他の所も探していいですよ』と言われ、さっそく苺摘み開始。畑の中に足を踏み入れたら、むわっと濃厚な苺の香に包まれました。苺というより、アルコールのような甘く重たい香り・・。うっとりと深呼吸。
深呼吸したり写真を取っている私の横で皆黙々と苺を摘んでいます。私は、綺麗で小粒で真っ赤なのを・・と探していたのですが、どうも私の摘んだのはどれも口に含むとまだ酸っぱめなのです。なんで??
そこで教わったのですが、本当に熟した苺というのはヘタのところまで真っ赤で、ヘタをひっぱると、すぽっと、中の部分までが抜ける(右写真)ものなんだそうです。私の記憶にある苺って、みんなヘタがぽろっと取れましたけど、それは、スーパーに運んでいる間に傷むので、熟し切らないうちに摘むからなんだそう。確かに、こうやってヘタから中まで取れる苺を口に含むと、果肉がじゅわっと柔らかくなって、香り高い甘味が口の中にふわ〜〜っと広がります。うわ〜美味しい!
思わず摘んだ先から食べてしまいます。これらの苺は、本当に、摘んだ瞬間が熟し切った瞬間、という感じで、確かにこの時期に摘んで、スーパーに運んだりしていたら、その間に傷んでしまいそう。だから買った苺では味わえない味なんだねえ・・むしゃむしゃ。指先が赤く染まって、苺の匂いがしてきました。


30分くらい頑張って探して摘むと、2,5キロ入る籠はもういっぱい。でも、もうちょっと摘んで、その度ちょっと食べながらまた籠に入れて・・。もう入りません、というくらいぎゅうぎゅうになった籠を入口に運んで、重さを計ってもらいます。お値段はなんと500グラムで1、5ユーロ!この味で!
しかも、2,9キロだったので、3キロ分払わされるかな?と思っていたら、2,5キロね!とおまけしてくれました。籠代金が70セントだから、自分でバケツを持ってくればもっとお買得。
2時間の帰り道、草を踏み分け、小高い丘を登りながらの家路の途中つまんで食べて、家に帰る頃には随分軽くなっていましたが、それをさっそく洗って、まずはそのままむしゃむしゃと。バルサミコ酢と蜂蜜でマリネして。ミルクを入れてミキサーにかけてミルクシェイク。お隣の人が遊びに来たのでおすそわけ・・。あっという間に無くなってしまいました。家中が苺の香りに満たされて
ジャムにしたら?とか、イチゴ・パンチ作れば?とか色々教えてもらいましたが、でも新鮮な摘みたての苺はそのまま食べるのが一番!洗った苺が置いてあったキッチンは、一晩立っても苺の香りが立ちこめているほど、摘み立て苺の香りと味は濃厚。

苺摘みは、まだこれから2週間は楽しめるとのこと。天気がそれ程暑くならなければ、まだ1ヶ月くらい楽しめます。今度は大きなバケツを持って行くぞ〜!
来年の夏は、ベルリン近郊、ヴェルダーにでも苺摘みに出かけてみようと思います!

*付足
アーティスト・イン・レジデンスで滞在した、ドイツの田舎町というか『村』。数少ない素敵な思い出がこのイチゴ摘みでした。 森の中で作品を制作したことは、本当に良い経験となったと思っていますが、『村暮らし』は絶対無理、と骨にしみて思わされた体験でもあります。
何よりも辛かったのは、『近郊で唯一のアジア人』であったことでした。もっとでもポジティブに考えて、制作に身を入れるべきだったと反省する時もありますが・・。 (2007年、5月筆)




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