ベルリンは今年、記録的な猛暑。新聞にはアイスクリーム会社の倉庫がほぼからっぽの危機!なんていうニュースが載るほどです。
ドイツ人はとってもアイスクリーム好き。6月、まだ肌寒い頃から日射しがちょっと明るくなればアイスクリーム屋さんの前には行列ができます。さっぱり系イタリアンジェラートからこってりクリームのパフェまでありますが人気はこってりアイスに生クリームのトッピング。日本程種類は沢山ありませんが、ベリー系などは豊富にフルーツが入って美味しいです。
今回はそんなアイス好きドイツ人に今話題のアイスクリーム&家具屋さん『kauf dich gluecklich』を御紹介。

この家具とアイス?不思議な組み合わせ。もともとはオーナーの2人が住居を改造し、カフェ&古道具屋という感じでオープンしたのですが、家具屋だけじゃあ人も来ないし、敷き居が高い印象でなかなか座り心地を試したりしてもらえない、というわけで季節は夏、美味しいアイスを提供しましょう!と始めたとか。
アイスやカフェを楽しみながら売り物の椅子に座ってもらい、気に入ったらそれもお持ち帰り!というわけです。
そんなわけでカフェのインテリアは毎日のように変わります。椅子が増えたり、机がなくなって別の棚のような机がきたり。家具店の方は売り物が外にでているため、広々とした雰囲気です。アンティークの家具、古着、サンダル、おもちゃ、サングラス。なんだか売っているものに脈絡はないようですが、ちょっとゆるい、かっこいいモノとかっこ悪いモノの間にあるような肩の力が抜けた“ベルリンテイスト”で統一されています。
座っている人もそんな“ベルリン”な人達ばかり。子ども連れのお母さん達が保育園からの帰り道に井戸端会議、学生が課題の本を持ってきてアイスを食べながら勉強、アーティストが作品について討論・・等等。昼は13時からのんびりと始めますが、天気の良さも手伝っていつも満席。
夜はDJが来てライブをすることもあり、客層は違いますがまたまた満席。昼間から夜まで、若者から大人まで何時間も本を読んでいたり、討論していたり、おしゃべりしていたり。ソファーの座り心地がイイからか、単にひまなのか(って私もか?)。“ベルリンの今”の雰囲気がよくわかる客層と店構えのこの店。そろそろ涼しい風が吹きつつあるベルリンですが、秋からはアイスはやめて喫茶店となるのでしょうか。気になる所です。


ミニうんちく:ドイツで“アイスカフェ”と頼むと冷たいコーヒーではなく、アイスクリームがコーヒーの中に入った、コーヒーフロート状のものがでてきます。左上写真アイスの横に写っているのがそれ、ドイツの“アイスコーヒー”。このお店では好きなアイスクリームを選んで、甘めのコーヒーに浮かべて、生クリームをたっぷりサービスしてくれます。生クリームが苦手な私は生クリーム抜きでバニラとホワイトチョコレートアイスを浮かべて注文を。
左写真のアイスはM&Mアイスとプレンツラウア−ベルク(この店のある地区の名前。“西荻窪”とかそんなイメージでしょうか)アイス。チョコレートの固まりがごろごろ入ったミルク味のアイスクリームです。
右写真は今この店で一番人気のワッフル+アイス+ホットチェリーソース。30度を超す天気にこんな甘そうなものが食べられるドイツ人って・・・・。

*付足
この記事を見ながら、そうか〜そういえば昔はこの店もよく行っていたわ・・と感慨に浸っています。
カフェ、ヴォーンツィマーでも書いたようなことが、 このカフェ、『カウフ・ディッヒ・グリュックリッヒ』があるオーダーベルガー・シュトラーセも当てはまります。
この通りは、もうすっかり観光地。このカフェも相変わらず可愛いけれど、ちょっともう行かないかな〜という店になってきてしまいました。
客層がすごく若くなっていて、私が行くところではないわっ、て思ってしまうような。いや、可愛いんですけれどね。 アイスはもっと自分好みの味のお店も見つけてしまったし。
というわけで、このお店には、ここ2年くらい全然行ってません・・ (2007年、5月筆)




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