今回のお散歩は、nola。Russland in Berlinのところで書いた、朝食の美味しいロシアンカフェー、ゴーリキー・パーク近くにあり、これまた、日曜日ビュッフェが楽しめるカフェレストランです!
今年の春に、ゴーリキーが拡張工事をし、それにともなって、前のちょっと汚れた薄暗い隅っこにいつまでも座ってチェスをしている常連さんがいるような ちょっとアンダーグラウンド、アートな雰囲気から、 小洒落た70年代風のインテリアに変わってしまい、 以前と変わらず美味しい朝食ビュッフェにも何故か足が向かなくなってしまいました。
そして夏になり、ゴーリキーなき今、遅い日曜日の朝食はどこ行こう?って考えていた時に、友達に誘われたのがこの店、nolaだったのです。 夏、ピクニックや日焼け目的でごろごろ人が転がっているVolkspark(国民公園)の真中にあるnolaは、広々と眼下に緑の広がる大きなテラス席が大人気。 セルフサービスの気楽さで、の〜んびりとビーチチェアに体を横たえる。ほとんど寝てるのか?って勢い。 友達と行っても、わいわいおしゃべりするでもなく、時々、ぬるくなったジュースをすすり、ぼーっとする。 そんな過ごし方がいかにもベルリンらしくて、大のお気に入りになりました。 しかし、今年の夏は短く、9月に入るとあっという間に、外席には毛布が必要な寒さに。 テラスが魅力、というイメージが強いnolaには足を運ばなくなってしまいました。 ところが先日、ゴーリキーが満席で、近くでどこか・・となって足を運んだnolaはとっても心地よい"お散歩途中のカフェ"にぴったりの雰囲気だったのでした!

ココを目当てに・・というより
散歩途中で、というお客が多い感じ。
もちろん犬もお散歩途中でしょう!


夏は、テラス席/アイス、ジュースという感じだったnolaは、冬になると(多分夏もそうだったのかもしれない)暖かい、スイス料理のレストランに。
朝ごはん用に、と頼んだチーズとハムの盛り合わせにも、チーズ・フォンデューを食べる時について来る、小玉ねぎのピクルスがついて、スイスっぽい! ちょっと癖のある鹿のハムと、臭いチーズにカリカリさっぱりのピクルスは良く合って止まりません! 危険!この組み合わせは、すぐお腹に来るのが分かっていながら・・カリカリパリパリポリポリ・・。 チーズも、さすがスイスと言う感じで色々揃っていました。 朝食といってももうオヤツの時間を過ぎる頃だったので、チーズ・フォンデューを囲んでいるお客もちらほら。
フォンデューは、お腹にずっしり来るし、臭いので、なんでこんな時間から食べられるの?と思いつつ、 これが、きっとスイスでは、日本でいう鍋料理のような位置付けなのだろうかなあ、と想像します。 そうすると、北風のピープー吹く外から暖かいレストランに入って、これを食べたい!って気持ちになるのもちょっと理解できました。


そう、nolaは、窓が広いので、冬は逆に、眼下に広がるのは見渡す限りの枯れ木と水の止まった噴水。 夏の開放的なムードとうって変わって、外に目をやると、うううっ、と鳥肌が立ってしまいます。
だから、寒い外からカフェに入り、取りあえずミルクカフェで体を中から暖めながら、一息。 あったかくなったところで、窓からふと外を見ると、ブルブルッ。 やっぱり帰る前にほかほかの鍋が・・じゃなくてフォンデューが食べたい・・となるのでしょう。
私も、クツクツと煮えるチーズを見ているだけで暖まって来るので、 フォンデューは好きなのですが、何せ脂肪分の固まりのチーズがとろりととろけて、 口に運んでいる間はもう串が止まらないけれど、食べた後が恐い。 ミルクカフェとスライスチーズだけで我慢することにしました。
ミルクカフェも、かき混ぜると泡ミルクからほんのり蒸気があがり良い感じ。
卓上で上がる湯気が幸せの象徴なのは、世界共通のようです。
*付足どうでもいいっちゃ良い小ネタなんですが。 先日(2006年2月1日)ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが『ゴールデン・カメラ賞』授賞式のために、 ベルリンにやってきました。その時に、徒歩でぷらぷら歩いて、この店に現れたのです! い、意外・・・。Graftっていう、ピットのアトリエを手掛けた建築家集団がいるんですが、 彼等がミッテに住んでいるんですよね。彼等のお勧めだったのでしょうか、 知らない人がふらりと寄るには引っ込んだ場所にあるので、誰かのお勧めだったと想像します。 なんにしろ、お散歩の途中に、体を暖めるために入りたかったのでしょう。 ちょっと、同感して、勝手に嬉しくなってしまった出来事でした。
*付足その2
ここは今だにちょくちょく足を運ぶ素敵なカフェ&レストランです。なんといっても夏は、目の前に広がる緑の公園がすてき! この公園は、今、ドラッグディーラー追放運動が話題になっています。花見をした時も『ドラッグを買わないで下さい』というチラシを渡されました。
なお、このお店と、日曜日の朝食ビュッフェについては、 昭文社さんから出ました、『大人のベルリン』という冊子でもご紹介させていただいております。 (2007年、5月筆)




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