Raumerstrasse



ラウマ−・シュトラーセはヘルムホルツ広場に続く通りで リヒェナ−・シュトラーセ のささやに行った帰り、 お腹が一杯になったらぶらぶらと歩くのも楽しい通りだ。 これからの季節、ヘルムホルツ広場には市も立ち、オープンカフェには人がずらり、子ども達があふれてくる。 プレンツラウア−ベルクは、ココ数年の出産率がベルリンでもとても高い地区。 ベルリン生まれで6才の息子を持つ友達によれば、ベルリンの壁が倒れたのが15年前。 そこでベルリンに何かを求めてやってきた人達が出会い、子どもができる。プレンツラウア−ベルクはベルリンに引越して来た若い人達が多い地区だ。だからだろう、ということだった。 確かに子どもの年齢は10才くらいから3才くらいまでの間が多い。15年前に壁が倒れた頃から逆算すると、なるほどね、とうなずける説だ。
ラウマ−・シュトラーセは、歩けばかならず乳母車をひいたお母さんお父さんにあう道。オモチャ屋さんなんかもあるし、カフェも多い。 苺アイスみたいなピンクや、マーブルチョコみたいな人工的なオレンジや青にお色直しされたビルと、ぼろぼろのビル、工事中のビルが並ぶ街並。 工事現場の下にまで頑張ってテーブルをだし、オープンカフェしている所もある。 このカフェは、ネットカフェなのだが、水パイプが試せて、わりと美味しいアラブ風の前菜やサンドイッチが食べられる。 私は煙草吸わないので、フレッシュミントティーとファラフェルやフムス(豆のムースみたいなスプレッドみたいなモノ。パンにぬって食べると美味しい)を食べる。
カフェの前にあるアンティークショップは小さいけれど、かわいい掘り出し物があるので、いつもちょっと覗く。 1冊1ユーロの本が並ぶ古本屋なんかもある。ちょくちょく覗くベルリン発のレーベルを沢山揃えているセレクトショップもある。
アンティークショップの隣にも小さな細いスペースにカフェだかブティックだかがあった。 ここらへんは、なんというか、オルタナティブな、手作り、“ちょっと思いついて、やってみた”感覚の店が多いところだ。 カフェの看板なんかも絵の具でなぐり書きだったり、オープンカフェ用の椅子もなくて板を適当に張り付けて座れるようにしているところもある。 こういうのベルリンの人は好きだ。お皿とかも欠けてたり、ソファーもぼろぼろだったり。 最初の頃は、えーこんなんと思ったけど、徐々にこういう方が好きになった。 未だに慣れないのは、スーパーの汚さだけ。安いスーパーに入って、暗いランプに照らされた、適当に積まれた箱から商品を掘り出したり、ごちゃごちゃと突っ込まれた冷凍肉の固まりとかを見ると、イマイチ食欲が湧かない。 多少高くても、とりあえず明るくて、きちんと商品が棚に並んでいる店に行きたい。 もちろん、安いから不味いこともないし、ダメなこともないとは分かってても、だめだ。 ラップがきちーんとかかって、ぴかーっと並んだ日本のスーパーに慣れ過ぎているのだ。
でもカフェの手作り感は良い。蜂がたかっているケーキは美味しい証だし、カップとお皿が揃って無くても美味しいコーヒーが出てくれば文句ない。 店員が客そっちのけで、ずーっと自分の友達と話してても、まあいい。その店と、お客の作り出す雰囲気が心地よければ良いのだ。 気合いが入り過ぎて無いカフェは、こっちも居てのんびりするから、ゆっくりできる。 何をするでもなく座って、考え事したりする。友達と会ったり。天気がよければ、ヘルムホルツ広場で遊んでる子どもを見ながら散歩する。 なんだか毎日日曜日みたいな通りだ。


*通りのヒトカケラ*
灰色のベルリンにぴらぴらするカラフルな飾り。
ベランダにぶら下げる。





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