Rosa-Luxemburg-Strasse


ローザ・ルクセンブルク。 その名前をぼんやりと聞いた事はあったが、実際何をやった人かは、ベルリンに来てから知った。 というのも、ローザ・ルクセンブルク・プラッツ駅構内の壁全面に、2000年当時、ローザ・ルクセンブルクと思われる人や、 反戦モチーフを使ったコラージュが貼られていて、『これは何だろう?』と興味を持ってちょっと調べたからだ。 第一次大戦中、後、反戦と反ファシズムを訴え、武装蜂起し、虐殺された人だそう。 ゲヴァルト・ローザという言葉のローザ、はこの人の名前から来ている。 (ちなみに、ゲバ棒と言う言葉は聞いた事があったが、これがゲヴァルトというドイツ語と関係があると知ったのもドイツに来てからだった・・)
この、ローザ・ルクセンブルク・プラッツ駅は改装され、今ではまったく無味乾燥の普通の駅になってしまっているのが残念。 今年、反戦デモがあった時、ローザ・ルクセンブルクと、カール・リープクネヒトの名がかかげられていた。
さて、この人の名前がついたこの通りは、特に、反戦や社会主義の香りは感じられない。 アレクサンダープラッツのすぐ手前にある道は、電車の線路沿いから、フォルクスビューネ劇場のある辺りまで続く。
この道は、特にこの道にある何かを目指して通るということは余り無い。 今夏、Raumerstrasseにある、お気に入りのセレクトショップが時期限定でこの道に支店を出したので、そこに行ったが・・。 後は、ベルリン映画祭の時、よくバビロン・ミッテという映画館に行って、映画を見た後、映画館の隣にあるカフェで一服した。 家からアレクサンダープラッツ駅近くのアジア食材店に行く時には、よく通る道なのだ。
さピカピカのガラス張りのアディダスショップを過ぎ、アメリカナイズドされたスープ屋の角を曲がる。 ローザ・ルクセンブルク通りは、現在発展途上の道で、新しいピカピカした安っぽいショップがあるかと思うと、古びた八百屋があって、そのナナメ前には、昔肉屋だったらしい場所を居抜きで使った品揃えの良いレコード屋があったりする。 かと思うと、真っ白に改装された建物が大工事を進めていたり、古びた感じの良いレンガ作りの建物の地階にネオンを光らせたエロティックショップがあったりする。
でも、こんな風にショップが入り始めたのもついここ1年くらいのこと。それまでは、駐車場と、古い居酒屋とか、ほこりをかぶった電化製品店があるくらいだった。
そういえば、入った事はないけれど、ワインのお店もある。Nadiffみたいな、文学書店とカフェが同居しているお店もあったが、最近立ち寄ったら閉まっていた。 ファインコストラーデンと呼ばれる、高級食材(高級じゃなくても良いけど、イタリアのエスプレッソとか、フランスのジャムとか、スペイン製のハムとか、そういうものが並んでいる) 店が新しくできているのをみかけた。へえ、こんなところにねえ、と思う。
ミッテの、ハーケッシャーマルクト駅周辺が大体開発が終わって、地価があがりまくり、ヒューゴ・ボスの店やら、スターバックスやらの大きなブランド?に占領されてしまったから、 そのさらに回りの、いままではただの小道でしか無かった所にじわじわとお店とかが広がって来ているのだ。
ショップはもう充分あるので、映画館とか、劇場とかがちゃんと援助されて、存続できると良いなあ、と思う。 バビロン・ミッテ映画館は、一時期、廃館の危機にさらされていた。(最近見たらちゃんと営業していた) フォルクス・ビューネも、独自のスタイルで演劇やらライブやらを行っているベルリンらしい劇場。頑張って欲しい。
ステキな、洒落た店なんか何にも無かった頃は、閑散としている街が淋しいような気もしたものだが、 今、こうやって変に開発(?)が進むと、嬉しいような反面、それはそれで、なんだかしっくり来ない気もする。 未完成で変わりゆく街の中に身を置いていると、常にこういう気分を味わうものなのかもしれない。


*通りのヒトカケラ*
右下の写真は一見、打ち捨てられた古い店だが
実はけっこう人気のレコード店。
その店の営業時間の紙の下にあった張紙
『パーティが良かったら、土曜日も閉店のことあり』
このテキトーさがベルリンらしい。
ちなみにこのレコード店の店主は今夏限定で、
ランケ城というお城でクラブイベントとか
開催してた(から土曜日閉まってたのか・・)






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