Sredzkistrasse



秋。ベルリンは沢山ある街路樹が黄色く色付き、落ち葉で一杯になる。
街路樹のほとんどはマロニエの木らしいのだが、この落ち葉が、木を腐らせるとかで、 ベルリン清掃局は最近、大規模な落ち葉清掃のキャンペーンを打っていて、町中で、せっせとこの落ち葉が履き集められている。 街路樹が病気になるのは困るけれど、秋らしさを感じられるので、私は落ち葉が沢山積もっている道を歩くのが大好きだ。
駅朝歩けば、朝露にぬれて、むしゅむしゅ柔らかい。昼間はカサカサパリパリ、乾いた音がする。 こんな落ち葉がたっぷりで、いかにも秋が似合う道が、Sredzkistrasseなのだ。
車通りの多い大通り、Schoenhauser Alleeと交差するこの道。石畳の歩道は広く、路面に面したショップやカフェも沢山あって良い感じ。 日曜日の朝食ビュッフェが有名なカフェ、Novemberもここの角にある。 ハムやチーズ、自分で焼けるワッフルなんかが並ぶ豪華朝食なのだが、冷たい物ばかりで、いかにもドイツ式朝食。 野菜や暖かいものを食べたい私はロシア料理の店、Gorki Parkの方が魅力的だったのと、 日曜日は混み混みで落ち着かないので、あまり行かなくなってしまった。
それでも、けっこう気に入っているアンティークショップと好きなカフェがあるので、この道にはちょくちょく来る。 後、Kultur Brauereiという、旧ビール工場を改造した総合文化施設があって、その中にある、インダストリー・デザイン・コレクションの博物館では、 よく旧東独のデザインの展示をしているのでそれを見に来たりもする。ポスターや何気ない日用品が面白い。 Kultur Brauereiの中にはスーパーとかがあり、細い道では小さなクリスマス市が開かれていたり、クラブがあったりもする。 アンティークショップは、60年代〜70年代チックな、アンティークモチーフの壁紙や、カーテン地、家具なんかがあって、 何も買わないでウィンドーを覗いているだけでも楽しくなる。 カフェの方は、古びた壁に、新聞を読む人達が長居する、いかにも良い感じのカフェ。店内で焼いているらしいパンや焼き菓子がすっごく美味。 パンはたいてい自分で焼くけれど、どっしりしたナッツが入った黒パンとかは焼けないから、ここで買う。 3年前くらいのクリスマスに、友達に呼ばれていったクリスマスパーティでここのパンが出て、そこで食べて以来の大ファンである。
春から冬までいつでも来るけれど、秋に来ると、いかにもヨーロッパらしい、天井の高そうな、白い豪華な石造りのビルが立ち並び、 黄色い落ち葉がはらはらと散って、ああ〜〜良いなあ、秋らしいなあ、としみじみ楽しくなる。
先日通った時も、この道、こんなに良い感じだったっけ?と驚く程きれいだった。 そういえば、この辺りにはクラッシックな雰囲気のビルが多いようだ。 通りの名前の看板も、ベルリン市の熊マーク付きの、ちょっと古めかしい飾りがついたもの。
なんだか、その古さと、落ち葉があんまりキレイで、なんだか、秋になると、この道に住みたくなってしまう。


*通りのヒトカケラ*
高いれんが造りの煙突。
Kulturbrauereiだ。
カ今は使われていない煙突だろうけれど、
レンガの模様がすてき。





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